アプリケーションの更新

データベースの移行は、データベースのみの移行ではありません。データベースを使用しているアプリケーションを調べて、新しいデータベースで期待どおりに動作することを確認する必要があります。同じデータベースエンジンを再ホストまたは再プラットフォームするだけであれば、変更は最小限に抑えられますが、新しいデータベースエンジンに移行する場合には、より重要になります。

アプリケーションがデータベースと対話するためにオブジェクトリレーショナルマッピング (ORM) に依存している場合、新しいデータベースエンジンに移行する際に多くの変更を必要としません。ただし、アプリケーションにカスタムデータベースインタラクションまたは動的に構築された SQL クエリがある場合、変更は大きくなる可能性があります。アプリケーションが期待どおりに動作するように修正する必要があるクエリ形式に差異がある場合があります。

例えば、Oracle では、文字列を NULL に結びつけると元の文字列を返します。ただし、PostgreSQL では、文字列を NULL と結びつけると NULL を返します。もう 1 つ例は、NULL と空の文字列がどのように処理されるかを示しています。PostgreSQL では、NULL と空の文字列は 2 つの異なるものですが、Oracle のようなデータベースはこれらを同じ方法で扱います。Oracle では、列の値が NULL または空の文字列に設定されている行を挿入した場合、where 句 where <mycolumn> is NULL を使用して、両方のタイプの値を取得できます。PostgreSQL では、この where 句は、カラム値が実際に NULL である行を 1 つだけ返します。空の文字列値を持つ行は返されません。これらの差異の詳細については、AWS Database Migration Service リソースウェブサイトに一覧表示されている移行プレイブックを参照してください。