PERF05-BP01 ワークロードの状態とパフォーマンスを測定するための主要業績評価指標 (KPI) を設定する
ワークロードのパフォーマンスを定量的および定性的に測定する KPI を特定します。KPI は、ビジネス目標に関連するワークロードの健全性とパフォーマンスを測定するのに役立ちます。
一般的なアンチパターン:
-
ワークロードについて把握するためだけにシステムレベルのメトリクスをモニタリングし、こうしたメトリクスがビジネスに与える影響を理解していない。
-
KPI が標準的なメトリクスデータとして既に発行され、共有されていると思っている。
-
定量的で測定可能な KPI を定義していない。
-
KPI をビジネスの目標や戦略とすり合わせていない。
このベストプラクティスを活用するメリット: ワークロードの正常性とパフォーマンスを表す具体的な KPI を特定することで、チームの優先順位をすり合わせ、目指すべきビジネス成果とは何かを定義できます。これらのメトリクスをすべての部門と共有することで、しきい値、期待値、ビジネスへの影響が可視化され、調整を図ることができます。
このベストプラクティスが確立されていない場合のリスクレベル: 高
実装のガイダンス
KPI を使用すると、ビジネスチームとエンジニアリングチームが、目標と戦略の測定と、こうした要因がどのように組み合わさってビジネス成果を生み出すかについての認識をすり合わせることができます。例えば、ウェブサイトのワークロードには、ページの読み込み時間を全体的なパフォーマンスの指標として使用する場合があります。このメトリクスは、ユーザーエクスペリエンスを測定する複数のデータポイントのうちの 1 つとなります。ページの読み込み時間のしきい値を特定することに加えて、パフォーマンスが満たされない場合に期待される結果やビジネスリスクを文書化する必要があります。ページの読み込み時間が長いと、エンドユーザーに直接影響し、ユーザーエクスペリエンスの評価の低下、ひいては顧客の損失につながる可能性があります。KPI のしきい値を定義するときは、業界のベンチマークとエンドユーザーの期待値の両方を組み合わせます。例えば、現時点での業界のウェブページの読み込みベンチマークが 2 秒以内であっても、エンドユーザーが 1 秒以内での読み込みを期待する場合、KPI を設定する際にこれらのデータポイントの両方を考慮する必要があります。
チームは、リアルタイムの詳細なデータと参照用の履歴データを使用してワークロード KPI を評価し、KPI データにメトリクス計算を実行するダッシュボードを作成して、運用と使用状況に関する洞察を導き出す必要があります。KPI は文書化され、ビジネス目標と戦略をサポートするしきい値を含み、かつモニタリング対象のメトリクスに対応付けられている必要があります。ビジネスの目標および戦略、またはエンドユーザーの要件が変わった場合は、KPI を再検討する必要があります。
実装手順
-
ビジネスの利害関係者を特定して文書化します。
-
特定した利害関係者と協力して、ワークロードの目標を定義し、文書化します。
-
業界のベストプラクティスを確認して、ワークロードの目標に沿った関連 KPI を特定します。
-
業界のベストプラクティスとワークロードの目標を使用して、ワークロード KPI のターゲットを設定します。この情報を使用して、重要度またはアラームレベルの KPI しきい値を設定します。
-
KPI が満たされない場合のリスクと影響を特定して文書化します。
-
KPI の確立に役立つメトリクスを特定して文書化します。
-
Amazon CloudWatch ま
たは AWS Config などのモニタリングツールを使用して、メトリクスを収集して KPI を測定します。 -
ダッシュボードを使用して KPI を視覚化し、利害関係者に報告します。
-
メトリクスを定期的に見直して分析し、改善が必要なワークロードの領域を特定します。
-
ビジネス目標やワークロードのパフォーマンスが変化した場合は、KPI を再検討します。
リソース
関連するドキュメント:
関連動画:
関連サンプル: