OPS10-BP05 サービスに影響するイベント発生時の顧客コミュニケーション計画を定義する - AWS Well-Architected Framework

OPS10-BP05 サービスに影響するイベント発生時の顧客コミュニケーション計画を定義する

顧客との信頼関係を維持し、透明性を確保するためには、サービスに影響を及ぼすイベントが発生した際の効果的なコミュニケーションが不可欠です。コミュニケーション計画が明確に定義されていれば、インシデントの発生時に組織内外で迅速かつ明確に情報を共有することができます。

期待される成果:

  • サービスに影響を及ぼすイベントが発生した際に顧客やステークホルダーに効果的に情報を伝えるための、確固たるコミュニケーション計画。

  • 透明性が高いコミュニケーションを通じて、信頼を築き、顧客の不安を解消する。

  • サービスに影響を及ぼすイベントがカスタマーエクスペリエンスや事業運営に与える影響を最小限に抑える。

一般的なアンチパターン:

  • コミュニケーションの不足や遅延が、顧客の混乱や不満につながる。

  • メッセージが技術的すぎる、または曖昧なせいで、ユーザーへの実際の影響を伝えることができない。

  • コミュニケーション戦略が事前に定義されていないため、メッセージが一貫性を欠き、事後対応的になる。

このベストプラクティスを活用するメリット:

  • 予防的かつ明確なコミュニケーションを通じて、顧客の信頼と満足度が高まります。

  • 顧客の不安に先回りして対応することで、サポートチームの負担が軽減します。

  • インシデントを効果的に管理し、復旧する能力が向上します。

このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル:

実装のガイダンス

サービスに影響を及ぼすイベントに備えた包括的なコミュニケーション計画の策定には、適切なチャネルの選択からメッセージやトーンの作成まで、さまざまな側面が関与します。適応性と拡張性に優れ、さまざまな障害シナリオに対応できる計画を用意する必要があります。

実装手順

  1. 役割と責任を定義する:

    • インシデント対応活動を監督する主要なインシデントマネージャーを任命します。

    • 外部および内部のすべてのコミュニケーションの調整を担当するコミュニケーションマネージャーを指名します。

    • サポートマネージャーを関与させ、サポートチケットを通じて一貫したコミュニケーションを実現します。

  2. コミュニケーションチャネルを特定する: 職場のチャット、E メール、SMS、ソーシャルメディア、アプリ内通知、ステータスページなどのチャネルを選択します。これらのチャネルには、耐障害性があること、サービスに影響を及ぼすイベントが発生した場合でも独立して動作できることが求められます。

  3. 顧客に迅速、明確、定期的に伝える:

    • 重要な詳細情報を簡潔に伝えることに重点を置いて、さまざまなサービス障害シナリオ用のテンプレートを作成します。サービスの障害、想定される解決時間、影響に関する情報を含めてください。

    • Amazon Pinpoint を使用して、プッシュ通知、アプリ内通知、E メール、テキストメッセージ、音声メッセージ、カスタムチャネル経由のメッセージで顧客に警告します。

    • Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) を使用して、プログラムによって、または E メール、モバイルプッシュ通知、テキストメッセージで、サブスクライバーに警告します。

    • Amazon CloudWatch ダッシュボードをパブリックに共有して、ダッシュボードを通じて状況を伝えます。

    • ソーシャルメディアでのエンゲージメントを促す:

      • ソーシャルメディアを積極的に監視して、顧客の感情を把握します。

      • ソーシャルメディアプラットフォームに投稿して、最新情報を公開し、コミュニティに参加します。

      • 一貫性のある明確なソーシャルメディアコミュニケーションのためのテンプレートを用意します。

  4. 内部コミュニケーションを調整する: AWS Chatbot などのツールを使用して、チームの調整やコミュニケーションのための内部プロトコルを実装します。CloudWatch ダッシュボードでステータスを知らせます。

  5. 専用のツールとサービスでコミュニケーションを調整する:

    • AWS Systems Manager Incident Manager と AWS Chatbot を使用して、インシデントの発生時にリアルタイムで内部コミュニケーションと調整を行うための専用チャットチャネルを設置します。

    • AWS Systems Manager Incident Manager ランブックを使用して、インシデントの発生時に Amazon Pinpoint、Amazon SNS、またはソーシャルメディアプラットフォームなどのサードパーティーツールを通じて顧客への通知を自動化します。

    • ランブックに承認ワークフローを組み込んで、すべての外部コミュニケーションを送信前に任意で確認し、承認できます。

  6. 実践して改善する:

    • コミュニケーションツールと戦略の利用に関するトレーニングを実施します。インシデントの発生時にチームがタイムリーな意思決定を行えるようにします。

    • 定期的な訓練やゲームデーを設けて、コミュニケーションプランをテストします。これらのテストを基にメッセージを改良し、チャネルの有効性を評価してください。

    • インシデント発生時のコミュニケーションの有効性を評価するためのフィードバックメカニズムを実装します。フィードバックと変化するニーズに応じて、コミュニケーションプランを継続的に進化させます。

実装計画に必要な工数レベル:

リソース

関連するベストプラクティス:

関連するドキュメント:

関連動画:

関連する例: