分離された AEO および一元化されたガバナンスとサービスプロバイダーコンサルティングパートナーを備えた IEO - 運用上の優秀性の柱

分離された AEO および一元化されたガバナンスとサービスプロバイダーコンサルティングパートナーを備えた IEO

この「分離された AEO と IEO」モデルでは、「自分で構築して実行する」という方法論の確立を目指します。

アプリケーションチームのワークロードにエンジニアリングと運用のアクティビティを含め、より DevOps に近い文化の定着を目指します。

しかし、アプリケーションチームは、移行、クラウドの採用、ワークロードのモダナイゼーションの真っ只中で、クラウドやクラウド運用を十分にサポートするスキルをまだ持っていない場合があります。アプリケーションチームの能力の欠如や不慣れさが障害となることがあります。

この懸念に対処するために、質問と回答、議論、ソリューションの発見などを行うフォーラムを提供するクラウドセンターオブイネーブルメント (CCoE、Cloud Center of Enablement) チームを設置します。組織のニーズに応じて、CCoE は専門家の専属チームにすることも、組織全体から選ばれた人材で構成される仮想的なチームにすることもできます。CCoE を活用することで、チームのクラウドへのトランスフォーメーション、クラウドガバナンスの一元化、アカウントおよび組織管理標準の定義が可能になります。また、リファレンスアーキテクチャ、エンタープライズでのユースパターンの成功例を特定することもできます。

私たちは、CCoE を一般的に用いられているクラウドセンターオブエクセレンスの略ではなく、クラウドセンターオブイネーブルメントの略として用います。これは、サポートされるチームの成功とビジネス成果の達成をより重視しているためです。

アプリケーションチームが採用できるように、プラットフォームエンジニアリングチームはこれらの標準に基づいたコアとなる共有プラットフォーム機能を構築します。リファレンスアーキテクチャ、およびセルフサービスメカニズムを介してアプリケーションチームに提供されるパターンをコード化します。AWS Service Catalog などのサービスを使用することで、アプリケーションチームは承認済のリファレンスアーキテクチャ、パターン、サービス、構成、一元化されたガバナンスおよびセキュリティ標準による既定のコンプライアンスなどをデプロイできます。

またプラットフォームエンジニアリングチームは、標準化された一連のサービス (開発ツール、モニタリングツール、バックアップおよび復旧ツール、ネットワークなど) をアプリケーションチームに提供します。

組織は標準化されたサービスを管理/サポートし、アプリケーションチームによるリファレンスアーキテクチャおよびパターンに基づくクラウドプレゼンスの確立を支援する「内部 MSP およびコンサルティングパートナー」を利用できます。これはクラウドオペレーションおよびプラットフォームイネーブルメント (COPE) チームと呼ばれ、アプリケーションチームによる基本的な運用の確立を支援し、アプリケーションチームのシステムとリソースに対する役割と責任が継続的に増加するように促します。COPE チームは CCoE およびプラットフォームエンジニアリングチームと協力しながら継続的な改善を進め、アプリケーションチームの支持者として活動します。

アプリケーションチームは、環境、CICD パイプライン、変更管理、可観測性およびモニタリング、インシデント/イベント管理プロセスのセットアップにおいて COPE チームからの支援を得ます。COPE チームはアプリケーションチームによるこれらの運用アクティビティに参加しますが、時間の経過とともにアプリケーションチームに所有権を移すため、ゆるやかにフェードアウトします。

アプリケーションチームは、COPE チームのスキルとこれまでに組織で得た学びから恩恵を受けることができます。つまり、一元化されたガバナンスを通じたガードレールで守られることになります。アプリケーションチームは社内に存在する過去の成功の上に構築され、採用した組織標準の継続的な更新による恩恵を得ます。可観測性およびモニタリングを介してワークロードの運用に関する優れたインサイトを得ることができ、ワークロードに対して行った変更の影響をより深く理解できます。

COPE チームは運用アクティビティをサポートするために必要なアクセスを保持し、複数のアプリケーションチームにまたがったエンタープライズレベルの運用ビューと重大インシデントの管理サポートを提供します。また COPE チームは付加価値を生まない手間のかかる作業に分類されるアクティビティに対する責任を保持します。COPE チームは、スケール環境での標準のサポートソリューションを通じてこの責任を果たします。さらに、アプリケーションチームがアプリケーションの差別化に集中できるように、一般的なプログラミングや自動化された運用アクティビティの管理を引き続き行います。

各チームがもたらす組織の標準、ベストプラクティス、プロセス、専門知識による恩恵を受けることができます。新しいチームがクラウドを採用したりモダナイゼーションを行ったりする際に、これらの成功パターンを繰り返せるようなメカニズムを確立します。このモデルでは、COPE チームによるアプリケーションチームの確立、知識とアーティファクトの継承を支援する能力を重視しています。アプリケーションチームによる広範囲の独立性の取得の失敗リスクに対処するために、アプリケーションチームの運用負荷を低減します。CCoE、COPE、アプリケーションチーム間の関係を確立し、進化と革新をさらに進めるためのフィードバックループを作り出します。

組織全体の標準を定義しながら CCoE と COPE チームを確立することで、クラウドの採用を促進し、モダナイゼーションプロセスをサポートできます。アプリケーションチームに対する COPE チームによる追加のサポートをコンサルタントやパートナーとして位置づけることで、アプリケーションチームは障壁を取り除き、より迅速にクラウド機能のメリットを採用できるようになります。