ブリッジモデル - SaaS レンズ

ブリッジモデル

サイロモデルとプールモデルは分離に対してまったく異なるアプローチをしますが、多くの SaaS プロバイダーの分離の状況はそれほど絶対的なものではありません。実際のアプリケーションの問題を確認し、システムをより小さいサービスに分解すると、大抵の場合、ソリューションにはサイロモデルとプールモデルを混合したものが必要だとわかります。この混合モデルを分離のブリッジモデルと呼んでいます。図 18 は SaaS ソリューションでのブリッジモデルの実装方法の例を示しています。

図 18: ブリッジ分離モデル

この図は、ブリッジモデルによってどのようにサイロモデルとプールモデルを組み合わせられるかを示しています。こちらでは、従来型のウェブとアプリケーション層のモノリシックアーキテクチャがあります。ウェブ層はこのソリューションの場合、すべてのテナントが共有するプールモデルにデプロイされています。ウェブ層は共有されていますが、アプリケーションの基盤となるビジネスロジックとストレージは実はサイロモデルにデプロイされており、各テナントは独自のアプリケーション層とストレージを持っています。

モノリスをマイクロサービスに分解すると、システム内のさまざまなマイクロサービスそれぞれで、サイロモデルとプールモデルを組み合わせて利用できます。このアプローチの詳細については、さまざまな AWS 構成へのサイロモデルとプールモデルの適用に関する詳細説明で取り上げます。こちらでの重要なポイントは、サイロモデルとプールモデルに対する見方は、異なる分離要件を持つサービスの集合体に分解される環境において、より粒度が細かくなることです。