ベストプラクティス 13.1 – パフォーマンス要件を評価または推定する
将来のハードウェア要件は、既存の SAP システムの容量と使用パターンを調べることで推定できます。SAP は、新規および既存のシステムのハードウェアのサイジングのためのいくつかのツールを提供しています。サイジングの見積もりをさらに検証するために、概念実証 (POC) のデプロイとパフォーマンステストを使用できます。
提案 13.1.1 – ソースハードウェアの SAPS パフォーマンスメトリクスを参照する
SAP によるハードウェアのベンチマークでは、
SAP Application Performance Standard (SAPS)
SAPS に基づくサイジングは、基本的な容量要件に最小限の変更を加える移行に適しています。これは、リフトアンドシフト移行と呼ばれることがよくあります。
提案 13.1.2 – 過去の使用状況の詳細について、SAP EarlyWatch Alert レポートとモニタリングツールを参照する
SAP EarlyWatch Alert
EarlyWatch に加え、インフラストラクチャレベルのモニタリングツールは、より詳細に、より深いインサイトを提供することができます。
提案 13.1.3 – SAP HANA サイジングレポートを使用して、コンピューティング要件を見積もる
SAP HANA に移行する場合、ターゲットコンピューティングのサイズを見積もるために、SAP が提供するツールを使用します。これらのツールによって生成される出力には、SAP HANA データベースのハードウェアサイジング要件の詳細が記載されています。
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SAP ドキュメント: HANA プラットフォーム向け SAP HANA 管理ガイド
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AWS ドキュメント: SAP HANA Sizing (SAP HANA のサイジング)
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SAP Note: 1793345 – Sizing for SAP Suite on HANA (SAP Suite on HANA のサイジング)
[SAP ポータルへのアクセス権が必要] -
SAP Note: 1872170 – ABAP on HANA sizing report (S/4HANA, Suite on HANA...) (ABAP on HANA のサイジングレポート (S/4HANA、Suite on HANA...))
[SAP ポータルへのアクセス権が必要] -
SAP Note: 2296290 – New Sizing Report for SAP BW/4HANA (SAP BW/4HANA の新しいサイジングレポート)
[SAP ポータルへのアクセス権が必要] -
SAP Note: 1958910 - EarlyWatch Alert For HANA Database (HANA データベースの EarlyWatch Alert)
[SAP ポータルへのアクセス権が必要]
提案 13.1.4 – グリーンフィールドの実装と機能の変更には SAP Quick Sizer を使用する
SAP Quick Sizer は、SAP の新規実装や変更 (ユーザー数の増加、新機能や新モジュールなど) の際のサイジングに使用できます。このツールは、アプリケーションの要件をハードウェアの仕様に変換するのに役立ちます。最良の結果を得るためには、技術チームと機能チームが協力して、Quick Sizer ツールに値を入力する必要があります。
複雑な実装のサイジングを検証するために、SAP エキスパートサイジングの利用をお勧めします。
SAP のツールやサービスの詳細については、以下を参照してください。
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SAP ドキュメント: SAP: Sizing Benchmarks (サイジングベンチマーク)
提案 13.1.5 – サイジングの精度を高めるために、概念実証のデプロイを使用する
AWS のサービスの柔軟性を活用し、SAP ワークロードの適切なサイジングと、ビジネス需要の変化に応じた拡張を行うことができます。概念実証 (POC) を使用してクラウドへの移行をテストし、パフォーマンス要件を分析します。これにより、コストとパフォーマンスの両面でワークロードを適切に調整できます。