ベストプラクティス 18.3 – ライセンス形態の影響と最適化オプションを評価する - SAP Lens

ベストプラクティス 18.3 – ライセンス形態の影響と最適化オプションを評価する

SAP ワークロードを AWS に移行させる際、SAP ワークロードで必要なソフトウェアのライセンスに関連して商業的影響が生じることがあります。このような影響と利用可能なオプションを理解する必要があります。

提案 18.3.1 – ソフトウェアライセンスに対する CPU とメモリの影響を理解する

SAP 向けの Amazon EC2 インスタンスタイプ で使用できる vCPU とメモリの各組み合わせを評価します。

Oracle ベースの環境については、以下を確認してください。

Microsoft Windows および SQL Server 環境については、以下を確認してください。

IBM Db2 環境については、以下を確認してください。

CPU またはメモリ別にライセンスされている ISV およびサードパーティー製品への影響を理解します。

提案 18.3.2 – オペレーティングシステムの購入オプションを理解する

SAP をサポートしている各オペレーティングシステムについて、複数の購入オプションが用意されています。

  1. Amazon EC2 で提供されるライセンス

  2. AWS Marketplace で提供されるライセンス

  3. Bring-Your-Own-License (BYOL)

オプションの中には、一部のオペレーティングシステムで利用できないものもあります。要件とライセンス契約を評価し、どのオプションのコスト効率が最も良いかを特定する必要があります。以下のオペレーティングシステムのコストを Amazon EC2 コストの一部として含めることができます。

  • Windows Server

  • Red Hat Enterprise Linux

  • SUSE Linux Enterprise Server (SLES)

以下のオペレーティングシステムは、AWS Marketplace を介して購入できます。

  • Red Hat Enterprise Linux for SAP (Red Hat Enterprise Linux ベースの EC2 コストに基づく)

  • SUSE Linux Enterprise Server for SAP (Amazon Linux ベースの EC2 コストに基づく)

以下のオペレーティングシステムには Bring-Your-Own-License (BYOL) を使用します。

1 SAP は Red Hat Enterprise Linux 8 以降、SAP ワークロードで 標準の RHEL をサポートしていないため、SAP Note: 2871484 - SAP supported variants of Red Hat Enterprise Linux (SAP 対応の Red Hat Enterprise Linux バリアント) [SAP ポータルへのアクセス権が必要] を検討します。

2 これらの製品は、サポート期間が長いため、アップグレードにかかる運用コストを削減できる可能性があります。詳細については、SUSE ドキュメント: SUSE Enterprise Support Policy (SUSE エンタープライズサポートポリシー) と Red Hat ドキュメント: Red Hat Enterprise サポートポリシー をご覧ください。

提案 18.3.3 – ライセンスの制限を緩和するために Amazon EC2 Dedicated Hosts の使用を検討する

Amazon EC2 の Dedicated Hosts では、完全に専用であるハードウェアにアクセスできます。専用のインフラストラクチャで 独自のライセンスソフトウェアを 使用することができます。Amazon EC2 Dedicated Hosts は、Windows Server および SQL Server ライセンスなどのソフトウェアライセンスの管理に便利な AWS License Manager と統合することができます。

提案 18.3.4 – ギガバイトあたり、またはコアあたりのライセンスモデルから離れることのコストメリットを評価する

クラウドへの移行の一環として、SAP Runtime データベースのライセンスモデルを使用することを検討してください。

SAP は、SAP HANA、SAP ASE、サードパーティーデータベースを Runtime データベースのライセンスモデルに基づいてライセンシングする機能を提供しています。SAP からライセンスが付与された Runtime データベースは、SAP からライセンスが付与されたソフトウェアと SAP 指定ユーザーのみをサポートします。SAP の Runtime データベースは、SAP アプリケーションバリュー (SAV) としてライセンスが付与され、その額は SAP ソフトウェア料金の一定の割合として設定されます。

Runtime ライセンスはメモリのギガバイト数や CPU のコア数に基づいて計算されず、SAP ライセンス契約の対象となるすべての環境に適用されるため、特に複数の非本番稼働システムを持つ場合にはギガバイト単位またはコア単位のライセンスモデルよりコスト上のメリットがあります。

SAP ライセンス契約の枠内で既に SAP HANA Database Runtime ライセンスの使用権が付与されている場合は、SAP HANA を基礎のデータベースとして使用できない SAP コンポーネントに対して SAP ASE Database Runtime ライセンスを使用する追加的な権利があるかどうか、またはそのコンポーネントに対して SAP HANA を使用した場合のインフラストラクチャコストを削減できないかどうかを特定する必要があります。