ベストプラクティス 20.3 – コスト配分、および不正検出などの追跡のために予算とメカニズムを確立する
Well-Architected Framework には、財務管理を実施するための ガイドライン があります。クラウドコストに関する予測と、ビジネスニーズに応じた年間、四半期、月間、あるいは 1 日あたりの予算を設定します。使用状況に合わせて定期的に予測に調整を加え、パターンや異常を検出します。アカウント戦略やタグ付け戦略を使ってコスト配分のメカニズムを確立します。
提案 20.3.1 – コストおよび請求ツールを使用して支出の可視性を高める
確立された SAP システムでは、使用状況パターンにあまり動きがないのが普通です。永続的に利用するかプロジェクトフェーズ中のみ利用するかにかかわらず、オンデマンド料金モデルを利用する場合は、Amazon EC2 のコストに変動が見られます。データボリューム管理戦略を用意していない場合、Amazon EBS および Amazon S3 のコストは予想より高くなる可能性があります。
支出の可視性を高める目的で使える、セットアップの簡単なツールが、
AWS Cost Anomaly Detection
AWS Cost Explorer
詳細なガイダンスは、Well-Architected Framework [コスト最適化]: 経費支出と使用量の認識 に記載されています。
提案 20.3.2 – タグを使って支出を分析し、配分する
支出を分析するには、 コスト配分タグ を作成して、個々のアカウント、リソース、ビジネスユニット、SAP 環境ごとに AWS リソースの料金を特定します。作成したコスト配分タグは、AWS 請求レポートに表示され、Cost Explorer で分析できます。コスト配分タグを使用すると、個々の SAP 環境に関連するコストが特定できます。これにより、一時的な環境やプロジェクト環境が不要になった場合など、特定の環境に関連したコストを削減または除外する措置が必要なことを把握できます。コスト配分タグが付いていないリソースを特定するプロセスを用意する必要があります。これらのリソースにコスト配分タグを付けるための措置を実施します。