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SEC05-BP03 検査に基づく保護を実装する - セキュリティの柱

SEC05-BP03 検査に基づく保護を実装する

ネットワークレイヤー間にトラフィックの検査ポイントを設定して、転送中のデータが、予想されるカテゴリやパターンと一致していることを確認します。 トラフィックフロー、メタデータ、パターンを分析して、イベントの識別、検出、対応をより効果的に行えるようにします。

期待される成果: ネットワークレイヤー間を通過するトラフィックが検査され、承認されます。 許可と拒否の決定は、明示的なルールや脅威インテリジェンス、ベースラインの動作から逸脱しているかどうかに基づいて行われます。 トラフィックが機密データに近づくにつれて、保護は厳格化されます。

一般的なアンチパターン:

  • ポートとプロトコルに基づくファイアウォールルールのみに依存している。インテリジェントシステムを利用していない。

  • 特定の最新の脅威パターンに基づいてファイアウォールルールを作成しているが、このパターンは変更される可能性がある。

  • トラフィックがプライベートサブネットからパブリックサブネットに、またはパブリックサブネットからインターネットに転送される箇所のみを検査している。

  • 動作の異常の比較基準となるネットワークトラフィックのベースラインビューがない。

このベストプラクティスを活用するメリット: 検査システムでは、トラフィックデータが特定の条件に該当する場合にのみトラフィックを許可または拒否するなど、インテリジェントなルールを作成できます。脅威の状況は時間とともに変化するので、AWS やパートナーが最新の脅威インテリジェンスに基づいて提供するマネージドルールセットが役立ちます。 これにより、ルールの維持や侵害の兆候の調査にかかるオーバーヘッドが減り、誤検出率が下がります。

このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル:

実装のガイダンス

AWS Network Firewall や、Gateway Load Balancer (GWLB) の背後にデプロイできる AWS Marketplace の他のファイアウォールおよび侵入防止システム (IPS) を使用して、ステートフルネットワークトラフィックとステートレスネットワークトラフィックの両方をきめ細かく制御します。AWS Network Firewall は、Suricata 互換のオープンソースの IPS 仕様に対応し、ワークロードの保護に役立ちます。

AWS Network Firewall と、GWLB を使用するベンダーソリューションはどちらも、さまざまなインライン検査デプロイモデルをサポートしています。 例えば、VPC 単位で検査を実行することや、検査用 VPC に一元化することができます。また、ハイブリッドモデルでデプロイし、East-West トラフィックは検査用 VPC に流し、インターネットの受信トラフィックは VPC 単位で検査することもできます。 もう 1 つ考慮すべき点は、そのソリューションが Transport Layer Security (TLS) のラップ解除に対応しているかどうかです。これにより、どちらの方向から開始されたトラフィックフローでもディープパケット検査が可能になります。これらの構成の詳細については、AWS Network Firewall のベストプラクティスガイドを参照してください。

プロミスキャスモードで動作しているネットワークインターフェイスからのパケットデータの pcap 分析など、アウトオブバンド検査を実行するソリューションを使用している場合は、VPC トラフィックミラーリングを設定できます。ミラーリングされたトラフィックは、インターフェイスで使用可能な帯域幅にカウントされ、ミラーリングされていないトラフィックと同じデータ転送料金が課されます。これらのアプライアンスの仮想バージョンが AWS Marketplace で提供されているかどうかを確認できます。GWLB の背後のインラインデプロイに対応している場合があります。

HTTP ベースのプロトコルを介してトランザクションを行うコンポーネントの場合は、ウェブアプリケーションファイアウォール (WAF) で一般的な脅威からアプリケーションを保護します。AWS WAF は、HTTP(S) リクエストを監視し、設定可能なルールに一致するものを Amazon API Gateway、Amazon CloudFront、AWS AppSync、または Application Load Balancer に送信する前にブロックできるウェブアプリケーションファイアウォールです。ウェブアプリケーションファイアウォールのデプロイを評価するときは、ディープパケット検査を検討してください。一部、トラフィック検査の前に TLS を終了しなければならないものがあるためです。AWS WAF の使用を開始するには、AWS マネージドルールを独自のルールと組み合わせて使用するか、既存のパートナー統合を使用できます。

AWS Firewall Manager を使用して、AWS Organization 全体で AWS WAF、AWS Shield Advanced、AWS Network Firewall、Amazon VPC セキュリティグループを一元管理できます。 

実装手順

  1. 検査ルールの範囲を広く設定できるか (検査用 VPC を使用するなど)、または VPC 単位のよりきめ細かいアプローチが必要かどうかを判断します。

  2. インライン検査ソリューションの場合:

    1. AWS Network Firewall を使用する場合は、ルール、ファイアウォールポリシー、ファイアウォール自体を作成します。これらを設定したら、トラフィックをファイアウォールエンドポイントにルーティングして検査を有効にすることができます。 

    2. Gateway Load Balancer (GWLB) とサードパーティー製アプライアンスを使用する場合は、アプライアンスを 1 つ以上のアベイラビリティーゾーンにデプロイして構成します。次に、GWLB、エンドポイントサービス、エンドポイントを作成し、トラフィックのルーティングを設定します。

  3. アウトオブバンド検査ソリューションの場合:

    1. インバウンドトラフィックとアウトバウンドトラフィックをミラーリングする必要があるインターフェイスで VPC トラフィックミラーリングを有効にします。Amazon EventBridge ルールを使用して、新しいリソースが作成されたときに AWS Lambda 関数を呼び出してインターフェイスでトラフィックミラーリングを有効にすることができます。トラフィックミラーリングセッションを、トラフィックを処理するアプライアンスの前にある Network Load Balancer に送ります。

  4. インバウンドのウェブトラフィックソリューションの場合:

    1. AWS WAF を設定するには、まずウェブアクセスコントロールリスト (ウェブ ACL) を設定します。ウェブ ACL は、WAF がトラフィックを処理する方法を定義する、逐次処理されるデフォルトアクション (ALLOW または DENY) を指定したルールのコレクションです。独自のルールとグループを作成することも、ウェブ ACL で AWS マネージドルールグループを使用することもできます。

    2. ウェブ ACL を設定したら、ウェブ ACL を AWS リソース (Application Load Balancer、API Gateway REST API、CloudFront ディストリビューションなど) に関連付けて、ウェブトラフィックの保護を開始します。

リソース

関連ドキュメント:

関連する例:

関連ツール:

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