バーストパフォーマンスインスタンス - Amazon Elastic Compute Cloud

バーストパフォーマンスインスタンス

多くの汎用ワークロードでは、平均的な状態はビジーではないので、持続的で高いレベルの CPU パフォーマンスを必要としません。以下のグラフは、現在 AWS クラウドのお客様が実行している多くの一般的なワークロードにおける、CPU の使用率を示しています。


         多くのワークロードでは、一般的に平均 CPU 使用率はベースライン以下であり、一部にベースラインを超えるスパイクが見られる程度です。

これらの CPU 使用率が低~中程度のワークロードが、CPU サイクルを浪費するような場合には、使用量以上の料金が発生することになります。こういった問題に対処するには、低コストのバースト汎用インスタンス (T インスタンス) を活用します。

T インスタンスファミリーは、ベースラインの CPU パフォーマンスを提供しながら、いつでも必要な時間だけ、能力をベースライン以上にバーストさせる機能を備えています。ベースライン CPU は汎用ワークロードにおける大部分のニーズを満たすように構成されており、大規模なマイクロサービス、ウェブサーバー、中小規模のデータベース、データのログ記録、コードリポジトリ、仮想デスクトップ、開発/テスト環境、ビジネスクリティカルなアプリケーションなどに対応できます。T インスタンスでは、コンピューティング、メモリ、ネットワークリソースがバランスしているので、CPU 使用率が低~中程度の広範な汎用アプリケーションを実行するための、費用対効果が最も高い方法が提供されます。コストの面では、M インスタンスと比較しても最大 15% の節約となります。また、2 個の vCPU と 0.5 GiB のメモリで動作する小型かつ経済的なインスタンスサイズを選択すれば、さらにコストの削減が可能です。nano、micro、Small、medium など小型の T インスタンスサイズは、必要なメモリが少なく、また想定される CPU 使用率も高くないワークロードに適しています。

注記

このトピックは、バースト可能な CPU について説明します。バースト可能なネットワークパフォーマンスの詳細については、「Amazon EC2 インスタンスのネットワーク帯域幅」を参照してください。

EC2 バーストインスタンスタイプ

EC2 バーストインスタンスには、T4g、T3a、T3 インスタンスタイプ、および前世代の T2 インスタンスタイプが含まれます。

T4g インスタンスタイプは、最新世代のバーストインスタンスです。このタイプは、パフォーマンスに対して最良の価格設定が行われており、すべての EC2 インスタンスタイプ中でも、最も低いコストでの利用が可能です。T4g インスタンスタイプは、ARM ベースの AWSGraviton2 プロセッサーで動作します。また、オペレーティングシステムベンダー、独立系ソフトウェアベンダー、さらに一般的な AWS サービスとアプリケーションからの、広範なエコシステムサポートも利用できます。

次の表に、各バーストインスタンスタイプ間の主な違いをまとめます。

タイプ 説明 プロセッサファミリ
最新世代
T4g

最低コストの EC2 インスタンスタイプで、T3 と比較した場合コストパフォーマンスは最大 40% 向上し、使用料金は 20% 低減

Arm Neoverse N1 コア搭載の AWS Graviton2 プロセッサ

T3a

T3 インスタンスと比較してコストを 10% 低減する、最低料金の x86 ベースインスタンス

AMD 第1世代 EPYC プロセッサー

T3

x86 ワークロードでピーク時に最良のコストパフォーマンスを発揮、前世代の T2 インスタンスと比較した場合コストパフォーマンスが最大 30% 向上

インテル Xeon スケーラブル (Skylake、Cascade Lake プロセッサー)

前の世代
T2

前世代のバーストインスタンス

インテル Xeon プロセッサ

インスタンスの料金体系と、その他の仕様については、「Amazon EC2 の料金」および「Amazon EC2 インスタンスタイプ」を参照してください。バースト可能なネットワークパフォーマンスの詳細については、「Amazon EC2 インスタンスのネットワーク帯域幅」を参照してください。

アカウントが 12 か月未満の場合は、特定の使用制限内で t2.micro インスタンスを無料で使用できます (t3.micro を利用できないリージョンでは t2.micro インスタンスを使用できます)。詳細については、「AWS 無料利用枠」を参照してください。

T インスタンスでサポートされる購入オプション

  • On-Demand Instances

  • Reserved Instances

  • ハードウェア専有インスタンス (T3 のみ)

  • Dedicated Hosts (T3 のみ、standardモードのみ)

  • スポットインスタンス

詳細については、インスタンス購入オプション を参照してください。

ベストプラクティス

これらのベストプラクティスに従って、バーストパフォーマンスインスタンスの利点を最大限に活用してください。

  • 選択するインスタンスのサイズが、オペレーティングシステムおよびアプリケーションの最小メモリ要件を満たしていることを確認します。多量のメモリおよび CPU リソースを消費するグラフィカルユーザーインターフェースを使用するオペレーティングシステム (Windows など) は、多くのユースケースで t3.micro 以上のインスタンスサイズを必要とする場合があります。時間の経過とともに、メモリおよび CPU に対するワークロードからの要求が増大した場合のために、T インスタンスには、同じインスタンスタイプで大きなインスタンスサイズにスケールできる柔軟性が備わっています。あるいは、別のインスタンスタイプを選択することも可能です。

  • アカウントの AWS Compute Optimizer を有効にし、ワークロードに関する Compute Optimizer 推奨事項を確認します。Compute Optimizer は、パフォーマンスを向上させるためにインスタンスをアップサイズする必要があるかや、コスト削減のためにダウンサイズする必要があるかを評価する際に役立ちます。Compute Optimizer は、シナリオに応じて異なるインスタンスタイプを推奨する場合もあります。詳細については、「AWS Compute Optimizer ユーザーガイド」の「EC2 インスタンスのレコメンデーションの表示」を参照してください。

  • 追加の要件については、「リリースノート」を参照してください。