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Amazon Route 53
開発者ガイド (API Version 2013-04-01)

Route 53 でレイテンシーベースルーティングへ移行する

レイテンシーベースルーティングを使用した場合、Route 53 は、最小のレイテンシーで利用できる AWS エンドポイントにユーザーをルーティングできます。たとえば、www.example.com のような DNS 名を、米国東部 (オハイオ) リージョンや 欧州 (アイルランド) リージョンでホストされている ELB Classic、Application、または Network Load Balancer、Amazon EC2 インスタンス、Elastic IP アドレスなどと関連付けることができます。Route 53 DNS サーバーは、過去数週間のネットワークの状態に基づいて、特定のユーザーをどのリージョンのどのインスタンスに割り当てるかを決定します。たとえば、おそらくロンドンのユーザーは、欧州 (アイルランド) のインスタンスに割り当てられ、シカゴのユーザーは、米国東部 (オハイオ) のインスタンスに割り当てられるでしょう。Route 53 では、A や AAAA のリソースレコードセットに対してエイリアスの作成がサポートされているのと同様に、A、AAAA、TXT、CNAME などのリソースレコードセットに対してレイテンシーベースルーティングがサポートされます。

スムーズで低リスクな移行を行うために、加重リソースレコードセットとレイテンシーリソースレコードセットを併用して、標準のルーティングから各ステージで完全な制御とロールバックを行う機能を備えたレイテンシーベースルーティングへと徐々に移行することができます。米国東部 (オハイオ) リージョンの Amazon EC2 インスタンスで現在ホストされている、www.example.com の例を考えてみましょう。インスタンスには Elastic IP アドレス W.W.W.W が関連付けられています。必要に応じて 米国東部 (オハイオ) リージョンへのトラフィックのルーティングを続けながら、米国西部 (北カリフォルニア) リージョン (Elastic IP X.X.X.X) や 欧州 (アイルランド) リージョン (Elastic IP Y.Y.Y.Y) にある追加の Amazon EC2 インスタンスにユーザーをルーティングし始めるとします。example.com の Route 53 ホストゾーンは、A というタイプと、W.W.W.W という (IP アドレス) を持つ www.example.com のリソースレコードセットを既に保持しています。

以下の例を完了すると、2 つの加重エイリアスリソースレコードセットが作成されます。

  • www.example.com の既存のリソースレコードセットを、米国東部 (オハイオ) リージョンの既存の Amazon EC2 インスタンスに対してトラフィックの大部分を引き続きルーティングする加重エイリアスリソースレコードセットに変更します。

  • 3 つのリージョンすべてにトラフィックをルーティングするレイテンシーリソースレコードセットにトラフィックのごく一部のみを最初にルーティングする、別の加重エイリアスリソースレコードセットを作成します。

これらの加重エイリアスリソースレコードセットの重みを更新することにより、米国東部 (オハイオ) リージョンのみにトラフィックのルーティングを行う状態から、Amazon EC2 インスタンスがある 3 つのリージョンすべてにトラフィックをルーティングする状態へと徐々に移行することができます。

レイテンシーベースルーティングへ移行するには

  1. www.example.com のリソースレコードセットのコピーを作成しますが、新しいドメイン名 (copy-www.example.com など) を使います。新しいリソースレコードセットに、www.example.com のリソースレコードセットと同じように、タイプ (A) および (W.W.W.W) を指定します。

  2. www.example.com の既存の A レコードを更新し、加重エイリアスリソースレコードセットにします。

    • [Alias Target] の値に、copy-www.example.com を指定します。

    • [Weight] に 100 を指定します。

    更新が完了すると、Route 53 では、W.W.W.W という IP アドレスを持つリソースにすべてのトラフィックをルーティングするために、このリソースレコードセットを引き続き使用します。

  3. 各 Amazon EC2 インスタンスにレイテンシーリソースレコードセットを作成します。たとえば、以下のようにします。

    • 米国東部 (オハイオ)、Elastic IP アドレス W.W.W.W

    • 米国西部 (北カリフォルニア)、Elastic IP アドレス X.X.X.X

    • 欧州 (アイルランド)、Elastic IP アドレス Y.Y.Y.Y

    すべてのレイテンシーリソースレコードセットに同じドメイン名 (www-lbr.example.com など) と同じタイプ (A など) を設定します。

    レイテンシーリソースレコードセットの作成が終了すると、Route 53 では、ステップ 2 で更新したリソースレコードセットを使用して引き続きトラフィックをルーティングします。

    www-lbr.example.com を使用して検証テストを実行できます。たとえば、各エンドポイントがリクエストを受信できることを確認することができます。

  4. www-lbr.example.com というレイテンシーリソースレコードセットを、www.example.com という加重リソースレコードセットに追加し、対応する Amazon EC2 インスタンスに対して限られた量のトラフィックのルーティングを開始しましょう。その後、米国東部 (オハイオ) リージョンの Amazon EC2 インスタンスは両方の加重リソースレコードセットからトラフィックを受け取ります。

    www.example.com の加重エイリアスリソースレコードセットを以下の方法でもう 1 つ作成します:

    • [Alias Target] の値に、www-lbr.example.com. を指定します。

    • [Weight] の値に 1 を指定します。

    変更を完了し、その変更を Route 53 サーバーに同期させると、Route 53 では、ステップ 3 でレイテンシーリソースレコードセットを作成した Amazon EC2 インスタンスにトラフィックのごく一部 (1/101) のルーティングを開始します。

  5. エンドポイントが着信トラフィックに応じて適切にスケーリングされることを確認できたら、必要に応じて重みを調節します。たとえば、レイテンシーベースルーティングに基づいてリクエストの 10% の受信を希望する場合、重みをそれぞれ 90 と 10 に変更します。

レイテンシーリソースレコードセットの作成については、「Route 53 コンソールを使用したリソースレコードセットの作成」を参照してください。