マネージドプラットフォーム更新
Elastic Beanstalk は定期的にプラットフォームの更新をリリースし、修正やソフトウェア更新、新機能を提供しています。マネージドプラットフォーム更新機能により、予定済みのメンテナンス期間中に、環境を自動的に最新バージョンのプラットフォームに更新できます。更新プロセス中も、アプリケーションは能力を低減させることなく稼動状態に保たれます。マネージド更新は、単一インスタンス環境とロードバランシング環境の両方で利用できます。
注記
この機能は Windows Server プラットフォームで .NET には使用できません。
環境に、自動的にパッチバージョンの更新またはパッチとマイナーバージョンの更新の両方を適用するよう設定できます。 マネージドプラットフォーム更新は、後方互換性のない変更を行うメジャーバージョンの更新はサポートしていません。
マネージドプラットフォーム更新を有効にしている場合、プラットフォーム更新が利用できない場合でもメンテナンス期間中に環境のすべてのインスタンスを置換するよう AWS Elastic Beanstalk を設定できます。環境にあるすべてのインスタンスを置換することは、アプリケーションを長期的に稼働させる際に際に発生するバグやメモリ問題の解決に有効です。
Elastic Beanstalk 環境マネージドコンソール使って、マネージドプラットフォーム更新を有効にします。
マネージドプラットフォーム更新を有効にするには
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Elastic Beanstalk コンソールを開きます。
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お客様の環境の管理ページに移動します。
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[Configuration] を選択します。
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[マネージド更新] カードで、[変更] を選択します。
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[Enable managed updates] を選択します。
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メンテナンス期間を選択し、[Update level] を選択します。
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(オプション)[Instance replacement] を選択して毎週のインスタンス置換を有効にします。
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[保存] を選択し、[適用] を選択します。
マネージドプラットフォーム更新において、アプリケーションが正常でプラットフォーム更新が問題なく実行されたかどうかの判断は、拡張ヘルスレポートに依存しています。手順については、「AWS Elastic Beanstalk 拡張ヘルスレポートの有効化」を参照してください。
セクション
マネージドプラットフォーム更新を実行するために必要な権限
Elastic Beanstalk には、ユーザーに代わりプラットフォーム更新を実行するための権限が必要です。ご使用の環境でデフォルトのサービスロールを使用している場合は、マネージドプラットフォーム更新を有効にする際に、コンソールに必要な権限を追加します。デフォルトのサービスロールを使っていない、または別のクライアントを使用して環境を管理している場合は、サービスロールに
AWSElasticBeanstalkService
管理ポリシーを追加します。
ご使用の環境でサービスにリンクされたロールを使用している場合は、マネージドプラットフォーム更新を有効にできません。サービスにリンクされたロールには、必要なアクセス権限がありません。異なるロールを選択し、AWSElasticBeanstalkService
管理ポリシーがあることを確認します。
注記
追加のリソースを含めるために環境を拡張する設定ファイルを使用している場合は、環境のサービスロールに補足的な権限を追加する必要があります。通常、他のセクションまたはファイルでこれらのリソースを名前で参照する場合、補足的な権限を追加する必要があります。
更新に失敗した場合、失敗の理由はマネージド更新ページで確認できます。
マネージド更新のメンテナンス期間
AWS が環境のプラットフォーム設定の新しいバージョンをリリースすると、Elastic Beanstalk は次回の毎週のメンテナンス期間中におけるマネージドプラットフォームの更新をスケジュール設定します。メンテナンス期間は 2 時間です。Elastic Beanstalk は、メンテナンス期間中に予定済みの更新を開始しますが、更新がメンテナンス期間中に完了しない場合もあります。
マイナーバージョンとパッチバージョンの更新
マネージドプラットフォーム更新がパッチバージョンの更新のみ、またはマイナーバージョンとパッチバージョンの更新の両方に適用されるよう設定できます。パッチバージョンの更新には、バグ修正およびパフォーマンスの改善点をはじめ、インスタンス上のソフトウェアやスクリプト、設定オプションに対するマイナーな変更点も含まれる可能性があります。マイナーバージョンの更新では、Elastic Beanstalk の新機能へのサポートを提供します。マネージドプラットフォーム更新で、後方互換性のない変更を行うメジャーバージョンの更新を適用することはできません。
プラットフォームのバージョン番号で、2 番目の数はマイナーバージョンの更新、3 番目の数はパッチバージョンの更新を意味します。たとえば、バージョン 2.0.7 プラットフォームの場合、マイナーバージョンは 0、パッチバージョンは 7 です。
変更不可能な環境の更新
マネージドプラットフォーム更新は、変更不可能な環境の更新を実行し、環境を新しいプラットフォームバージョンにアップグレードします。変更不可能な更新によって、新しい設定を実行しているインスタンスがヘルスチェックにパスしたかどうかを確認する前に、インスタンスをサービス停止状態にしたり、変更を加えることもなく環境を更新します。
変更不可能な更新では、Elastic Beanstalk は新しいプラットフォームバージョンで現在実行しているインスタンスと同数のインスタンスをデプロイします。新しいインスタンスは、古いバージョンを起動しているインスタンスとともにリクエスト取得を開始します。新しいインスタンスセットがすべてのヘルスチェックに合格すると、Elastic Beanstalk は新しい設定のインスタンスのみを残して、古いインスタンスセットを終了させます。
マネージドプラットフォーム更新は、メンテナンス期間外に適用したとしても、常に変更不可能な更新を実行します。[Dashboard] からプラットフォーム設定を変更すると、Elastic Beanstalk は設定更新のために選択した更新ポリシーを適用します。
マネージド更新の管理
Elastic Beanstalk 環境マネジメントコンソールには、[Managed Updates] ページのマネージド更新に関する詳細情報が表示されます。
マネージド更新(コンソール)に関する情報を表示するには
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Elastic Beanstalk コンソールを開きます。
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お客様の環境の管理ページに移動します。
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[Managed Updates] を選択します。
[Managed Updates Overview] セクションは、予定済みおよび保留中のマネージド更新に関する情報を提供します。[History] セクションには、成功および失敗した更新がリストされます。
予定済みの更新を、メンテナンス期間を待つことなく、即座に適用する選択が可能です。
マネージドプラットフォーム更新(コンソール)を即座に適用するには
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Elastic Beanstalk コンソールを開きます。
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お客様の環境の管理ページに移動します。
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[Managed Updates] を選択します。
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[Apply] を選択します。
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[Apply] を選択します。
マネージドプラットフォーム更新をメンテナンス期間外に適用すると、Elastic Beanstalk は変更不可能な更新を実行します。環境のプラットフォームをダッシュボードまたは他のクライアントを使って更新すると、Elastic Beanstalk は設定の変更のために選択した更新タイプを使用します。
予定されたマネージド更新がない場合は、環境がすでに最新バージョンを実行している可能性があります。予定された更新がないその他の理由は、次のとおりです。
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マイナーバージョン更新が利用可能であるが、環境は自動的にパッチバージョン更新のみを適用するよう設定されている。
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環境が更新のリリース以後、スキャンされていない。Elastic Beanstalk は通常、1 時間ごとに更新を確認する。
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更新が保留中またはすでに進行中である。
メンテナンス期間が開始されている、または [Apply now] が選択されており、予定された更新が実行前に保留状態になっている。
マネージドアクションオプションの名前空間
aws:elasticbeanstalk:managedactions
および aws:elasticbeanstalk:managedactions:platformupdate
名前空間にある設定オプションを使って、マネージドプラットフォーム更新を有効化し、設定できます。
ManagedActionsEnabled
オプションは、マネージドプラットフォーム更新をオンにします。このオプションを true
に設定するとマネージドプラットフォーム更新が有効になり、他のオプションを使用すると更新動作を設定できます。
PreferredStartTime
を使用して毎週のメンテナンス期間の開始時刻を、日
:時間
:分
形式で設定します。
UpdateLevel
を minor
または patch
に設定すると、マイナーおよびパッチバージョン更新の両方、あるいはパッチバージョンの更新のみを適用するようそれぞれ設定できます。
マネージドプラットフォーム更新を有効にしている場合、InstanceRefreshEnabled
オプションを true
に設定することでインスタンス置換も有効にできます。この設定が有効になっている場合、プラットフォームの新しいバージョンが利用可能かどうかに関係なく、Elastic
Beanstalk は毎週環境に対する変更不可能な更新を実行します。
次の例は、毎週火曜日の午前 9 時 (UTC) にメンテナンス期間が開始され、パッチバージョン更新がマネージドプラットフォーム更新で有効化されることを示す、設定ファイルです。
例 .ebextensions/managed-platform-update.config
option_settings: aws:elasticbeanstalk:managedactions: ManagedActionsEnabled: true PreferredStartTime: "Tue:09:00" aws:elasticbeanstalk:managedactions:platformupdate: UpdateLevel: patch InstanceRefreshEnabled: true