Savings Plans が AWS の使用に適用される仕組みを理解する

アクティブな Savings Plans をお持ちの場合は、対象となる AWS 使用に自動的に適用され、請求額が減ります。

Savings Plans を用いた場合の請求額の計算

Amazon EC2 リザーブドインスタンス (RI) が適用された後の使用に Savings Plans が適用されます。

現在の Savings Plans は、グループ化されており、対象となる使用に適用されます。Compute Savings Plans の方が適用範囲が広いため、EC2 Instance Savings Plans は Compute Savings Plans よりも優先して適用されます。

一括請求ファミリーでは、Savings Plans は、まず所有者アカウントの使用に適用され、次に他のアカウントの使用に適用されます。これは共有が有効になっている場合にのみ発生します。

対象となる使用の組み合わせごとに、潜在的な削減率を計算します。この割合は、Savings Plans の料金と現在のオンデマンド料金を比較したものです。Savings Plans は、削減率が最も高いものがまず適用されます。削減率が等しい使用が複数ある場合、Savings Plans は、Savings Plans の割合が最も低い使用にまず適用されます。Savings Plans は、残りの使用分がなくなるか、コミットメントがなくなるまで引き続き適用されます。残りの使用はオンデマンド価格で課金されます。

Savings Plans の例

これらの例に示されている料金はあくまで例示的なものです。この例では、1 時間に以下の使用がなされたものとします。

• r5.4xlarge Linux x 4、us-east-1 での共有テナンシーインスタンス、1 時間稼働

• m5.24xlarge Windows x 1、us-east-1 での専有テナンシーインスタンス、1 時間稼働

• us-west-1 での 400 個の vCPU と 1,600GB の Fargate 使用

• us-east-2 での 512 MB (0.5 GB) のメモリ分の AWS Lambda の使用に対する 100 万件のリクエスト (それぞれ 3 秒間続く)

料金の例
	オンデマンド料金	Compute Savings Plans の料金	削減率 (オンデマンド比)	EC2 Instance Savings Plans の料金	削減率 (オンデマンド比)
r5.4xlarge Linux	1.00 USD	0.70 USD	30%	0.60 USD	40%
Fargate vCPU	0.04 USD	0.03 USD	25%	該当なし	該当なし
Fargate GB	0.004 USD	0.003 USD	25%	該当なし	該当なし
m5.24xlarge Windows	10.00 USD	8.20 USD	18%	7.80 USD	22%
Lambda 時間 (GB/秒あたり)	0.000015 USD	0.00001275 USD	15%	該当なし	該当なし
Lambda リクエスト (100 万リクエストあたり)	0.20 USD	0.20 USD	0%	該当なし	該当なし

この例では、使用の構成に一致する一部前払いの Savings Plans (期間 1 年間) と仮定しています。簡略化のため、料金と削減率は仮定のものです。

シナリオ例

• シナリオ 1: Savings Plans をすべての使用に適用する

• シナリオ 2: Savings Plans を一部の使用に適用する

• シナリオ 3: Savings Plans が製品全体の一部の使用に適用する

• シナリオ 4: Savings Plans と EC2 リザーブドインスタンスを使用に適用する

• シナリオ 5: 複数の Savings Plans を使用に適用する

シナリオ 1: Savings Plans をすべての使用に適用する

1 年間の一部前払いの Compute Savings Plan を 1 時間あたり 50.00 USD のコミットメントで購入するとします。

各使用量と同等の Compute Savings Plan を掛けると 47.13 USD になるため、この Saving Plan はすべての使用量をカバーします。それでも 1 時間あたり 50.00 USD のコミットメントを下回っています。

Savings Plans がない場合は、59.10 USD のオンデマンド料金で請求されます。

シナリオ 2: Savings Plans を一部の使用に適用する

1 年間の一部前払いの Compute Savings Plan を 1 時間あたり 2.00 USD のコミットメントで購入するとします。

どの時間でも、削減率最も高い (30% の) Savings Plans から順にお客様の使用量に適用されます。

1 時間あたり 2.00 USD のコミットメントにより、この使用量のうち 約 2.9 ユニットがカバーされます。残りの 1.1 ユニットはオンデマンド料金で請求されるため、r5 のオンデマンド料金は 1.14 USD になります。

Fargate m5.24xlarge と Lambda の使用量もオンデマンド料金で請求されるため、55.10 USD のオンデマンド料金が発生します。この使用のオンデマンド料金の合計は 56.24 USD です。

シナリオ 3: Savings Plans が製品全体の一部の使用に適用する

1 年間の一部前払いの Compute Savings Plan を 1 時間あたり 19.60 USD のコミットメントで購入するとします。

削減率が最も高い (30% である) ため、最初に Savings Plans が r5.4xlarge に適用されます。

削減率が次に高い (25％ である) ため、次に Savings Plans がFargate の使用に適用されます。Savings Plans は、コンピューティング (vCPU) の前にメモリ (GB) に適用されます。これは、メモリの方が Savings Plans の料金が低いためです。1 時間あたりの 19.60 USD のコミットメントが満たされ、残りの使用量はオンデマンド料金で請求されます。

m5.24xlarge とLambda の使用量に対するオンデマンド料金は 32.70 USD です。

シナリオ 4: Savings Plans と EC2 リザーブドインスタンスを使用に適用する

1 年間の一部前払いの Compute Savings Plan を 1 時間あたり 18.20 USD のコミットメントで購入するとします。us-east-1 には r5.4xlarge Linux 共有テナンシー用の 2 つの EC2 リザーブドインスタンス (RI) が存在するとします。

まず、RI は 2 つの r5.4xlarge インスタンスをカバーします。次に、Savings Plans の料金が残りの r5.4xlarge と Fargate の使用に適用されます。これにより、1 時間あたりのコミットメントである 18.20 USD が使い果たされます。

m5.24xlarge および Lambda の使用に対するオンデマンド料金は 32.70 USD です。

シナリオ 5: 複数の Savings Plans を使用に適用する

us-east-1 の r5 ファミリー向けの 1 年間の一部前払いの EC2 インスタンスファミリー Savings Plan を 1 時間あたり 3.00 USD のコミットメントで購入します。また、1 時間あたり 16.80 USD のコミットメントによる、1 年間の一部前払いの Compute Savings Plan もあります。

EC2 インスタンスファミリー Savings Plan (r5、us-east-1) は、使用量に EC2 インスタンスファミリー Savings Plan の料金を掛けると 2.40 USD になるため、すべての r5.4xlarge 使用量をカバーします。これは 1 時間あたり 3.00 USD のコミットメントを下回ります。

次に、残りの使用量の削減率が最も高い (25% である) Fargate の使用量に Compute Savings Plan が適用されます。メモリの方が Savings Plans のレートが低いため、Savings Plans はコンピューティング (vCPU) の前にメモリ (GB) に適用されます。1 時間あたりの 16.80 USD のコミットメントが満たされ、残りの使用量はオンデマンド料金で請求されます。

m5.24xlarge および Lambda の使用に対するオンデマンド料金は 32.70 USD です。

詳細については、「AWS Billing and Cost Management ユーザーガイドの「一括請求について」を参照してください。