COST07-BP02 コストに基づいてリージョンを選択する
リソースの料金は各リージョンで異なる場合があります。リージョンによるコストの差異を特定し、レイテンシー、データレジデンシーおよびデータ主権に関する要件を満たす場合にのみ、よりコストの高いリージョンにデプロイします。リージョンコストを織り込むことで、このワークロードに対して支払う料金の合計を最低限に抑えることができます。
このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル: 中
実装のガイダンス
それらの AWS クラウド インフラストラクチャ
各 AWS リージョン は現地マーケットの条件内で運用されており、土地代、回線代、電気代、税金などのコストが異なるため、リソース料金は各リージョンで異なります。世界的に最小料金で稼働できるように、ソリューションのコンポーネントまたは全体を運用する特定のリージョンを選択します。ここでは AWS 計算ツール
ソリューションを設計する際、ユーザーに近いコンピューティングリソースの場所を探して、レイテンシー低下とデータ主権の強化を図ることが推奨されます。ビジネス、データプライバシー、パフォーマンス、セキュリティの要件に基づいて、地理的場所を選択します。エンドユーザーが世界中にいるアプリケーションの場合は、複数の場所を使用します。
データプライバシー、セキュリティ、ビジネス要件に義務がない場合は、AWS のサービスの料金がより低いリージョンを使用してワークロードをデプロイします。例えば、デフォルトのリージョンが ap-southeasth-2 (シドニー) であり、他のリージョンを使用するにあたっての制約 (データプライバシー、セキュリティなど) がない場合、重要ではない (開発とテスト) Amazon EC2 インスタンスを north-east-1 (バージニア北部) リージョンにデプロイすると、コストを抑えることができます。

リージョン機能マトリックステーブル
前述のマトリックステーブルから、他のリージョンに比べてレイテンシーが低く、サービスが利用可能で、コストが最も低いリージョンであるため、このシナリオではリージョン 4 が最適なオプションであることがわかります。
実装手順
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AWS リージョン の料金を確認する: 現在のリージョンのワークロードコストを分析します。サービスおよび使用タイプ別の最も高いコストから、利用可能な他のリージョンのコストを計算します。予測される費用削減効果がコンポーネントまたはワークロードの移動コストを上回っている場合は、新しいリージョンに移行します。
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複数のリージョンにデプロイする場合の要件を確認する: ビジネス要件と義務 (データプライバシー、セキュリティ、パフォーマンス) を分析して、複数リージョンを使用すべきでない制約があるかどうかを確認します。単一リージョンを使用するよう制限する義務がない場合は、複数のリージョンを使用します。
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必要なデータ転送を分析する: リージョンを選択する際は、データ転送コストを考慮します。データは顧客に近く、またリソースに近いところに置いてください。データ転送が最小限でデータの流れがいい、よりコストの低い AWS リージョンを選択します。データ転送のビジネス要件によって、 Amazon CloudFront
、AWS PrivateLink 、 AWS Direct Connect 、 AWS Virtual Private Network を使用して、ネットワークコストの削減、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化を実現できます。
リソース
関連するドキュメント:
関連動画:
関連する例:
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Overview of Data Transfer Costs for Common Architectures (一般的なアーキテクチャでのデータ転送コストの概要)
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Cost Considerations for Global Deployments (グローバルデプロイにおけるコストの考慮事項)
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What to Consider when Selecting a Region for your Workloads (ワークロードに応じたリージョンを選択する際の注意点)
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Well-Architected ラボ: Restrict service usage by Region (Level 200) (リージョンごとにサービスの仕様を制限する (レベル 200))