COST08-BP02 データ転送コストを最適化するコンポーネントを選択する - AWS Well-Architected Framework

COST08-BP02 データ転送コストを最適化するコンポーネントを選択する

すべてのコンポーネントが選択され、データ転送コストを低減するようアーキテクチャが設計されます。これには、ワイドエリアネットワーク (WAN) 最適化やマルチアベイラビリティゾーン (AZ) 設定などのコンポーネントの使用が含まれます。

このベストプラクティスが確立されていない場合のリスクレベル:

実装のガイダンス

データ転送を念頭に置いたアーキテクチャでは、データ転送コストを最小限に抑えることができます。このアーキテクチャでは、コンテンツ配信ネットワークを使用してユーザーに近いデータを特定したり、お客様のプレミスと AWS をつなぐ専用ネットワーク接続が使用される場合があります。WAN の最適化やアプリケーションの最適化によって、コンポーネント間で転送されるデータ量を減らすこともできます。

AWS クラウド との間やその中でデータを転送する場合、データ転送を最適化する適切な AWS サービスを選択するために、さまざまなユースケース、データの性質、利用可能なネットワークリソースに基づいて転送先を把握することが不可欠です。AWS は、多様なデータ移行要件に対応する幅広いデータ転送サービスを提供しています。組織内のビジネスニーズに基づいて、適切なデータストレージデータ転送のオプションを選択してください。

ワークロードアーキテクチャを計画または確認するときは、次の点を考慮してください。

  • AWS 内で VPC エンドポイントを使用する: VPC エンドポイントを使用すれば、VPC とサポート対象の AWS サービスとの間にプライベート接続を確立できます。これで、データ転送コストが発生する可能性のある公開インターネットの使用を回避できます。

  • NAT ゲートウェイを使用する: NAT ゲートウェイを配置して、プライベートサブネットのインスタンスがインターネットまたは VPC 外部のサービスに接続できるようにします。NAT ゲートウェイの背後にあるリソースのうち、最多量のトラフィックを送信しているリソースのアベイラビリティゾーンが、NAT ゲートウェイと同じかどうかを確認してください。違う場合は、そのリソースと同じアベイラビリティーゾーンに新しい NAT ゲートウェイを設置し、AZ 間のデータ転送料金を削減します。

  • AWS Direct Connect を使用する: AWS Direct Connect は、公開インターネットをバイパスし、オンプレミスネットワークと AWS との間にプライベート接続を直接確立します。インターネットを介して大量のデータを転送するよりも、この方がコスト効率が高く、堅実です。

  • リージョン境界をまたいでデータを転送しない: AWS リージョン間 (あるリージョンから別のリージョンへの) データ転送には通常、料金がかかります。複数のリージョンをまたいで転送する場合は、慎重に検討したうえで決断してください。詳細については、「複数リージョンのシナリオ」を参照してください。

  • データ転送を監視する: Amazon CloudWatch および VPC フローログを使用して、データ転送とネットワークの使用量に関する詳細情報をキャプチャします。VPC 内でネットワークインターフェイスとの間を行き来するネットワークトラフィックについて、IP アドレスや範囲などのキャプチャされた情報を分析してください。

  • ネットワーク使用状況を分析する: AWS Cost Explorer、CUDOS Dashboard、CloudWatch などの計測とレポートのツールを使用して、ワークロードのデータ転送コストを把握してください。

実装手順

  • データ転送用にコンポーネントを選択する: データ転送モデリング (「COST08-BP01 データ転送モデリングを実行する」を参照) を使用して、データ転送コストが現時点で最も高い箇所や、ワークロードの利用状況が変化した場合に最も高くなると予測される箇所に着目します。データ転送の必要性を排除または削減 (またはコストを削減) する代替アーキテクチャや追加のコンポーネントを探します。

リソース

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