クラウドの持続可能性
持続可能性を守ることで、ビジネスが環境、経済、社会に与える長期的な影響に対処します。国際連合の「環境と開発に関する世界委員会」
クラウドワークロードの構築における持続可能性の実践とは、使用しているサービスの影響を理解すること、ワークロードのライフサイクル全体における影響を数値化すること、設計原則とベストプラクティスを適用してそれらの影響を軽減することなどです。このドキュメントでは、アーキテクトがリソース使用量削減のための直接的行動を理解する上で重要な、環境に対する影響、特にエネルギーの消費と効率性に焦点を当てています。
環境への影響に焦点を当てる際は、これらの影響が通常どのように計上されるか、および組織独自の排出量の計上に対する後続の影響について理解する必要があります。温室効果ガスプロトコル
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スコープ 1: 組織の活動に由来する、または組織の管理下にあるすべての直接的な排出量。例えば、データセンター用バックアップジェネレーターの燃料の燃焼などです。
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スコープ 2: データセンターなどが購入して使用する電力による間接的な排出量。例えば、商用発電からの排出量などです。
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スコープ 3: 管理できないソースからの、組織の活動によるその他すべての間接的な排出量。AWS の例には、データセンターの建設や、データセンターに設置される IT ハードウェアの製造や輸送に関連する排出量が含まれます。
AWS のお客様の観点からみると、AWS で実行されるワークロードからの排出量は、間接的な排出量、およびスコープ 3 の排出量の一部とみなされます。デプロイされた各ワークロードは、前の各スコープからの AWS の総排出量の一部を形成しています。ワークロードあたりの実際の量は、使用する AWS サービス、それらのサービスが使用するエネルギー量、AWS データセンターが稼働する際の電力網の二酸化炭素排出量、AWS による再生可能エネルギーの調達など、いくつかの要素によって異なります。
このドキュメントでは、最初に環境持続可能性の責任共有モデルについて説明し、次にアーキテクチャ上のベストプラクティスについて説明します。これにより、AWS データセンターでのワークロードの稼働に必要な総リソース量を削減し、ワークロードの影響を最小限に抑えることができます。