Amazon Relational Database Service
ユーザーガイド (API バージョン 2014-10-31)

Microsoft SQL Server DB エンジンのアップグレード

Amazon RDS が新バージョンの Microsoft SQL Server をサポートすると、DB インスタンスをその新バージョンにアップグレードできます。Amazon RDS は、Microsoft SQL Server DB インスタンスに対して以下のアップグレードをサポートしています。

  • メジャーバージョンアップグレード

  • マイナーバージョンアップグレード

一般的に、メジャーエンジンバージョンのアップグレードは、既存のアプリケーションと互換性のない変更を導入する場合があります。それに対して、マイナーバージョンのアップグレードには、既存のアプリケーションとの下位互換性がある変更のみが含まれます。

メジャーバージョンアップグレードを実行するためには、DB インスタンスを手動で変更する必要があります。DB インスタンスでマイナーバージョン自動アップグレードを有効にすると、マイナーバージョンアップグレードが自動的に行われます。その他の場合は、DB インスタンスを手動で変更してマイナーバージョンアップグレードを実行する必要があります。

Amazon RDS で使用できる SQL Server のバージョンについての詳細は、「Amazon RDS での Microsoft SQL Server」を参照してください。

アップグレードの概要

Amazon RDS によってアップグレードプロセス中に 2 つの DB スナップショットが作成されます。最初の DB スナップショットは、アップグレードの変更が行われる前の DB インスタンスから作成されます。アップグレードがデータベースに対して機能しない場合は、このスナップショットを復元して、以前のバージョンを実行する DB インスタンスを作成できます。アップグレードの完了後に 2 番目の DB スナップショットが作成されます。

注記

DB インスタンスのバックアップ保持期間を 0 より大きく設定した場合にのみ、Amazon RDS は DB スナップショットを作成します。バックアップ保持期間を変更するには、「Microsoft SQL Server データベースエンジンを実行する DB インスタンスの変更」を参照してください。

アップグレードが完了したら、データベースエンジンの前のバージョンに戻すことはできません。前のバージョンに戻す必要がある場合は、アップグレードの前に作成された DB スナップショットを復元して、新しい DB インスタンスを作成します。

SQL Server のマイナーバージョンアップグレードまたはメジャーバージョンアップグレード中、[Free Storage Space] と [Disk Queue Depth] のメトリクスに [-1] が表示されます。アップグレードが完了したら、いずれのメトリックも [normal] に戻ります。

メジャーバージョンアップグレード

Amazon RDS は、現在次のメジャーバージョンの Microsoft SQL Server DB インスタンスへのアップグレードをサポートしています。

SQL Server 2008 を除く任意のバージョンから既存の DB インスタンスを SQL Server 2017 にアップグレードできます。SQL Server 2008 からアップグレードするには、他のいずれかのバージョンにアップグレードしてください。

現行バージョン サポートされているアップグレードバージョン

SQL Server 2016

SQL Server 2017

SQL Server 2014

SQL Server 2017

SQL Server 2016

SQL Server 2012

SQL Server 2017

SQL Server 2016

SQL Server 2014

SQL Server 2008 R2 (廃止予定)

SQL Server 2016

SQL Server 2014

SQL Server 2012

データベース互換性レベル

Microsoft SQL Server データベース互換性レベルを使用して、いくつかのデータベースの動作を調整し、以前のバージョンの SQL Server を模倣することができます。詳細については、Microsoft ドキュメントの「Compatibility Level」を参照してください。

DB インスタンスをアップグレードしても、既存のすべてのデータベースは元の互換性レベルのままとなります。たとえば、SQL Server 2012 から SQL Server 2014 にアップグレードした場合に、既存のすべてのデータベースは 110 レベルとの互換性があります。アップグレード後に作成した新しいデータベースは互換性レベル 120 となります。

ALTER DATABASE コマンドを使用して、データベースの互換性レベルを変更できます。たとえば、customeracct という名前のデータベースが、SQL Server 2014 との互換性を持つように変更するには、次のコマンドを発行します。

ALTER DATABASE customeracct SET COMPATIBILITY_LEVEL = 120

マルチ AZ およびインメモリ最適化に関する考慮事項

Amazon RDS は、Microsoft SQL Server を実行する DB インスタンスで SQL Server データベースミラーリング (DBM) または Always On 可用性グループ (AG) によるマルチ AZ 配置をサポートしています。詳細については、「Microsoft SQL Server のマルチ AZ 配置」を参照してください。

DB インスタンスがマルチ AZ 配置にある場合は、プライマリとスタンバイの両方のインスタンスがアップグレードされます。Amazon RDS​ はローリングアップグレードを行います。フェイルオーバー中にのみ、停止が発生します。

SQL Server 2014/2016/2017 Enterprise エディションは、インメモリ最適化をサポートしています。

オプショングループとパラメータグループに関する考慮事項

オプショングループに関する考慮事項

DB インスタンスでカスタムオプショングループを使用している場合、状況によっては、Amazon RDS で DB インスタンスに新しいオプショングループを自動的に割り当てられないことがあります。たとえば、新しいメジャーバージョンにアップグレードする場合などが該当します。この場合、アップグレード時に新しいオプショングループを指定する必要があります。新しいオプショングループを作成し、このオプショングループに既存のカスタムオプショングループと同じオプションを追加することをお勧めします。

詳細については、「オプショングループを作成する」または「オプショングループのコピーの作成」を参照してください。

パラメータグループに関する考慮事項

DB インスタンスでカスタムパラメータグループを使用している場合、状況によっては、Amazon RDS で DB インスタンスに新しいパラメータグループを自動的に割り当てられないことがあります。たとえば、新しいメジャーバージョンにアップグレードする場合などが該当します。この場合、アップグレード時に新しいパラメータグループを指定する必要があります。新しいパラメータグループを作成し、そのパラメータの設定を既存のカスタムパラメータグループと同じにすることをお勧めします。

詳細については、「DB パラメータグループを作成する」または「DB パラメータグループをコピーする」を参照してください。

アップグレードをテストする

DB インスタンスのメジャーバージョンのアップグレードを実行する前に、データベースとそのデータベースにアクセスするすべてのアプリケーションについて、新しいバージョンとの互換性を綿密にテストする必要があります。以下の手順を実行することをお勧めします。

メジャーバージョンのアップグレードをテストするには

  1. データベースエンジンの新しいバージョンについてアップグレードドキュメントを参照して、データベースやアプリケーションに影響を与える可能性のある互換性の問題があるかどうかを確認します。

  2. DB インスタンスでカスタムオプショングループを使用している場合は、アップグレード先の新しいバージョンと互換性がある新しいオプショングループを作成します。詳細については、「オプショングループに関する考慮事項」を参照してください。

  3. DB インスタンスでカスタムパラメータグループを使用している場合は、アップグレード先の新しいバージョンと互換性がある新しいパラメータグループを作成します。詳細については、「パラメータグループに関する考慮事項」を参照してください。

  4. アップグレードする DB インスタンスの DB スナップショットを作成します。詳細については、「DB スナップショットの作成」を参照してください。

  5. DB スナップショットを復元して、新しいテスト DB インスタンスを作成します。詳細については、「DB スナップショットの復元」を参照してください。

  6. この新しいテスト DB インスタンスを変更して新しいバージョンにアップグレードするには、次に説明するいずれかの方法を使用します。

  7. アップグレードしたインスタンスによって使用されるストレージを評価して、アップグレードに追加のストレージが必要かどうかを判断します。

  8. データベースとアプリケーションが新しいバージョンで正常に動作することが確認されるまで、アップグレードした DB インスタンスに対する品質保証テストを必要な回数だけ実行します。手順 1 で特定した互換性の問題の影響を評価するための新しいテストを実行します。すべてのストアドプロシージャと関数をテストします。アプリケーションのテストバージョンを、アップグレードした DB インスタンスに割り振ります。

  9. すべてのテストに合格したら、本稼働 DB インスタンスのアップグレードを実行します。すべてが正常に動作していることを確認するまでは、DB インスタンスへの書き込みオペレーションは許可しないことをお勧めします。

SQL Server DB インスタンスをアップグレードする

SQL Server DB インスタンスの手動または自動アップグレードについては、以下を参照してください。

重要

KMS を使用して暗号化されたスナップショットがある場合は、サポートが終了する前にアップグレードを開始することをお勧めします。

サポート終了前に廃止予定の DB インスタンスをアップグレードする

メジャーバージョンの廃止後は、新しい DB インスタンスにインストールすることはできません。RDS では、既存のすべての DB インスタンスが自動的にアップグレードされます。

廃止予定の DB インスタンスを復元する必要がある場合は、ポイントインタイム復元 (PITR) を実行するか、スナップショットを復元することができます。こうすることで、廃止予定のバージョンを使用する DB インスタンスに一時的にアクセスできます。ただし、メジャーバージョンが完全に廃止されると、これらの DB インスタンスも自動的にサポートされているバージョンにアップグレードされます。