開始方法 - Amazon Athena

開始方法

このチュートリアルは、Amazon Athena を使用したデータのクエリについて詳しく説明するもので、Amazon Simple Storage Service に保存されたサンプルデータに基づいたテーブルを作成し、テーブルをクエリして、クエリ結果を確認します。

チュートリアルではライブリソースを使用するため、実行したクエリに対する料金が発生します。このチュートリアルが使用する場所にあるサンプルデータに対する料金は発生しませんが、独自のデータファイルを Amazon S3 にアップロードする場合は、料金が適用されます。

前提条件

  • アカウントにサインアップしていない場合は、「セットアップ」でサインアップします。

  • Athena で使用しているものと同じ AWS リージョン (米国西部 (オレゴン) など) とアカウントを使用して、Athena からのクエリ結果を保存するバケットを Amazon S3 に作成します。

ステップ 1: データベースを作成する

まず、Athena でデータベースを作成する必要があります。

Athena データベースを作成するには
  1. https://console.aws.amazon.com/athena/ で Athena コンソールを開きます。

  2. 現在の AWS リージョン で Athena コンソールを初めて使用する場合は、[Explore the query editor] (クエリエディタを試す) をクリックしてクエリエディタを開きます。初めてではない場合は、クエリエディタで Athena が開きます。

  3. [Edit Settings] (設定を編集) をクリックし、Amazon S3 内のクエリ結果の保存場所を設定します。

    
                        [View Settings] (設定を表示) をクリックします。
  4. [Manage settings] (設定の管理) で、以下のいずれかを実行します。

    • [Location of query result] (クエリ結果の場所) ボックスで、クエリ結果のために Amazon S3 に作成したバケットへのパスを入力します。パスの先頭に s3:// を付けます。

    • [Browse S3] (S3 をブラウズ) をクリックし、現在のリージョンで作成した Amazon S3 バケットを選択した上で、[Choose] (選択) をクリックします。

    
                        Athena からのクエリ結果を受け取る Amazon S3 の場所を指定します。
  5. [Save] (保存) を選択します。

  6. [Editor] (エディタ) をクリックして、クエリエディタに切り替えます。

    
                        [Editor] (エディタ) を選択します。
  7. ナビゲーションペインの右側から、Athena クエリエディタを使用してクエリとステートメントの入力と実行が行えます。

    
                        Athena コンソールのクエリエディタ。
  8. mydatabase という名前のデータベースを作成するには、次の CREATE DATABASE ステートメントを入力します。

    CREATE DATABASE mydatabase
  9. [Run] (実行) をクリックするか、Ctrl+ENTER キーを押します。

  10. 左側の [Database] (データベース) リストから、現在のデータベースとして mydatabase を選択します。

    
                        作成したデータベースを選択します。

ステップ 2: テーブルを作成する

データベースが作成されたので、Athena テーブルを作成できます。作成するテーブルは、ロケーション s3://athena-examples-myregion/cloudfront/plaintext/ にあるサンプルの Amazon CloudFront ログデータをベースにします。ここで、myregion は現在の AWS リージョン です。

サンプルログデータは、タブ区切り (TSV) 形式で、フィールドがタブ文字で区切られています。結果は以下の例のようになります。読みやすくするため、抜粋箇所のタブがスペースに変換され、最後のフィールドが短縮されています。

2014-07-05 20:00:09 DFW3 4260 10.0.0.15 GET eabcd12345678.cloudfront.net /test-image-1.jpeg 200 - Mozilla/5.0[...] 2014-07-05 20:00:09 DFW3 4252 10.0.0.15 GET eabcd12345678.cloudfront.net /test-image-2.jpeg 200 - Mozilla/5.0[...] 2014-07-05 20:00:10 AMS1 4261 10.0.0.15 GET eabcd12345678.cloudfront.net /test-image-3.jpeg 200 - Mozilla/5.0[...]

Athena がこのデータを読み取れるようにするには、次のように CREATE EXTERNAL TABLE ステートメントを実行する方法があります。テーブルを作成するステートメントは、データにマップする列を定義し、データを区切る方法を指定して、サンプルデータが含まれる Amazon S3 の場所を指定します。

注記

LOCATION 句に対しては、特定のファイルではなく Amazon S3 フォルダのロケーションを指定します。Athena が、指定したフォルダ内のすべてのファイルをスキャンします。

CREATE EXTERNAL TABLE IF NOT EXISTS cloudfront_logs ( `Date` DATE, Time STRING, Location STRING, Bytes INT, RequestIP STRING, Method STRING, Host STRING, Uri STRING, Status INT, Referrer STRING, ClientInfo STRING ) ROW FORMAT DELIMITED FIELDS TERMINATED BY '\t' LINES TERMINATED BY '\n' LOCATION 's3://athena-examples-my-region/cloudfront/plaintext/';

この例は、cloudfront_logs という名前のテーブルを作成し、各フィールドの名前とデータ型を指定します。これらのフィールドがテーブルの列になります。date予約語であるため、バッククォート (`) 文字でエスケープされます。ROW FORMAT DELIMITED は、Athena が実際のデータ解析作業の実行に LazySimpleSerDe という名前のデフォルトライブラリを使用することを意味します。この例は、フィールドがタブ区切り (FIELDS TERMINATED BY '\t') であり、ファイル内の各レコードが改行文字 (LINES TERMINATED BY '\n) で終わることも指定します。最後に、LOCATION 句が、読み取られる実際のデータが格納されている Amazon S3 のパスを指定します。独自のタブ区切りまたはカンマ区切りのデータがある場合は、CREATE TABLE ステートメントをこのように使用できます。

サンプルデータに戻り、最後のフィールドである ClientInfo の完全な例を次に示します。

Mozilla/5.0%20(Android;%20U;%20Windows%20NT%205.1;%20en-US;%20rv:1.9.0.9)%20Gecko/2009040821%20IE/3.0.9

ご覧のとおり、このフィールドは複数値フィールドです。CREATE TABLE ステートメントでフィールドの区切り文字としてタブが指定されている場合、この特定のフィールド内の個別のコンポーネントを個別の列に分割することはできません。フィールド内の値から列を作成するには、正規表現 (regex) グループを含む正規表現を使用できます。指定する regex グループは、個別のテーブル列になります。CREATE TABLE ステートメントで正規表現を使用するには、次のような構文を使用します。この構文によって、Athena が Regex SerDe ライブラリと指定した正規表現を使用するように指示されます。

ROW FORMAT SERDE 'org.apache.hadoop.hive.serde2.RegexSerDe' WITH SERDEPROPERTIES ("input.regex" = "regular_expression")

正規表現は、複雑な CSV データまたは TSV データからのテーブルの作成に便利ですが、記述や保守が困難な場合があります。幸いに、JSON、Parquet、および ORC といった形式に使用できるライブラリは他にもあります。詳細については、「サポートされる SerDes とデータ形式」を参照してください。

これで、Athena クエリエディタでテーブルを作成する準備が整いました。CREATE TABLE ステートメントと正規表現が用意されています。

Athena でテーブルを作成するには
  1. ナビゲーションペインにある [Database] (データベース) で、mydatabase が選択されていることを確認します。

  2. クエリエディタ内で表示スペースを拡大するために、矢印アイコンを選択してナビゲーションペインを折りたたむことができます。

    
                        矢印アイコンを選択して、ナビゲーションペインを折りたたみます。
  3. クエリエディタでプラス記号 (+) をクリックして、新しいクエリのタブを作成します。一度に最大 10 個のクエリタブを開くことができます。

    
                        [+] アイコンを選択して、新しいクエリを作成します。
  4. 1 つ以上のクエリタブを閉じるには、プラス記号の横にある矢印をクリックします。すべてのタブを一度に閉じるには、矢印を選択してから、[Close all tabs] (すべてのタブを閉じる) をクリックします。

    
                        矢印アイコンを選択して、1 つ以上のクエリタブを閉じます。
  5. クエリペインに、次の CREATE EXTERNAL TABLE クエリを入力します。この正規表現で、ログデータの ClientInfo フィールドから、オペレーティングシステム、ブラウザ、およびブラウザバージョンの情報を抜き出すことができます。

    CREATE EXTERNAL TABLE IF NOT EXISTS cloudfront_logs ( `Date` DATE, Time STRING, Location STRING, Bytes INT, RequestIP STRING, Method STRING, Host STRING, Uri STRING, Status INT, Referrer STRING, os STRING, Browser STRING, BrowserVersion STRING ) ROW FORMAT SERDE 'org.apache.hadoop.hive.serde2.RegexSerDe' WITH SERDEPROPERTIES ( "input.regex" = "^(?!#)([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+([^ ]+)\\s+[^\(]+[\(]([^\;]+).*\%20([^\/]+)[\/](.*)$" ) LOCATION 's3://athena-examples-myregion/cloudfront/plaintext/';
  6. LOCATION ステートメントの中の myregion を、現在使用している AWS リージョン (us-west-1 など) に置き換えます。

  7. [Run] (実行) を選択します。

    テーブル cloudfront_logs が作成され、mydatabase データベースの [Tables] (テーブル) リストに表示されます。

ステップ 3: データをクエリする

Amazon S3 内のデータに基づいて Athena で cloudfront_logs テーブルを作成したところで、次は Athena でこのテーブルに SQL クエリを実行して、結果を確認することができます。Athena での SQL の使用に関する詳細については、「Athena の SQL リファレンス」を参照してください。

クエリを実行する
  1. プラス (+) 記号をクリックして新しいクエリタブを開き、クエリペインに次の SQL ステートメントを入力します。

    SELECT os, COUNT(*) count FROM cloudfront_logs WHERE date BETWEEN date '2014-07-05' AND date '2014-08-05' GROUP BY os
  2. [Run] (実行) を選択します。

    結果は以下のようになります。

    
                        Athena コンソールでのクエリ結果の表示。
  3. クエリ結果を .csv ファイルに保存するには、[Download results] (結果をダウンロード) をクリックします。

    
                        クエリ結果の CSV 形式でのダウンロード。
  4. 以前のクエリを表示または実行するには、[Recent queries] (最近のクエリ) タブを開きます。

    
                        [Recent queries] (最近のクエリ) をクリックして以前のクエリを表示します。
  5. 以前のクエリの結果を、[Recent queries] (最近のクエリ) タブからダウンロードするには、クエリを選択した上で、[Download results] (結果をダウンロード) をクリックします。クエリは 45 日間保持されます。

    
                        Athena コンソールでの最近のクエリの表示とダウンロード。
  6. 1 つ以上の最新の SQL クエリ文字列を CSV ファイルにダウンロードするには、[Download CSV] (CSV をダウンロード) を選択します。

    
                        最近のクエリ文字列を CSV ファイルにダウンロードします。

    詳細については、「クエリ結果、最近のクエリ、および出力ファイルの使用」を参照してください。

クエリを保存する

クエリエディタで作成または編集したクエリは、名前を付けて保存できます。Athena はこれらのクエリを [Saved queries] (保存されたクエリ) タブ。[Saved queries] (保存されたクエリ) タブを使用して、保存したクエリの呼び出し、実行、名前変更、または削除をおこなうことができます。詳細については、「保存されたクエリの使用」を参照してください。

他のデータソースへの接続

このチュートリアルでは、Amazon S3 にある CSV 形式のデータソースを使用しました。AWS Glue での Athena の使用については、「AWS Glue を使用した Amazon S3 内のデータソースへの接続」を参照してください。ODBC ドライバー、JDBC ドライバー、外部の Hive メタストア、および Athena データソースコネクタを使用して、Athena をさまざまなデータソースに接続することもできます。詳細については、「」を参照してくださいデータソースへの接続