DHCP オプションセットの概念
DHCP オプションセットは、EC2 インスタンスなど、VPC 内のリソースが仮想ネットワーク経由で通信するために使用するネットワーク設定のグループです。
各リージョンにデフォルトの DHCP オプションセットがあります。カスタム DHCP オプションセットを作成して VPC に関連付けるか、DHCP オプションセットなしで VPC を設定しない限り、各 VPC はそのリージョンのデフォルトの DHCP オプションセットを使用します。
VPC に DHCP オプションセットが設定されていない場合:
Nitro System 上に構築された EC2 インスタンスの場合、AWS は
169.254.169.253
をデフォルトのドメインネームサーバーとして設定します。Xen 上に構築された EC2 インスタンスの場合、ドメインネームサーバーは設定されません。また、VPC 内のインスタンスは DNS サーバーにアクセスできないため、インターネットにアクセスできません。
DHCP オプションセットを複数の VPC に関連付けることはできますが、各 VPC に関連付けることができる DHCP オプションセットは 1 つだけです。
VPC を削除すると、その VPC に関連付けられている DHCP オプションセットは、VPC との関連付けが解除されます。
デフォルト DHCP オプションセット
デフォルトの DHCP オプションセットには次の設定が含まれます。
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[ドメインネームサーバー]: ネットワークインターフェイスがドメイン名の解決に使用する DNS サーバー。デフォルトの DHCP オプションセットの場合、これは常に
AmazonProvidedDNS
です。詳細については、「Amazon DNS サーバー」を参照してください。 -
[ドメイン名]: ドメインネームシステム (DNS) を使用してホスト名を解決する際にクライアントが使用するドメイン名。EC2 インスタンスに使用されるドメイン名に関する詳細については、「Amazon EC2 インスタンスのホスト名のタイプ」を参照してください。
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IPv6 優先リースタイム: IPv6 が割り当てられた実行中のインスタンスが DHCPv6 リースを更新する頻度。デフォルトのリースタイムは 140 秒です。リースの更新は通常、リースタイムの半分が経過した時点で行われます。
デフォルトの DHCP オプションセットを使用する場合、以下の設定は使用されません。ただし、EC2 インスタンスにはデフォルトがあります。
[NTP サーバー]: EC2 インスタンスはデフォルトで Amazon Time Sync Service を使用して時刻を取得します。
[NetBIOS ネームサーバー]: Windows を実行する EC2 インスタンスでは、NetBIOS コンピュータ名は、ネットワーク上でインスタンスを識別するためにそのインスタンスに割り当てられるフレンドリ名です。NetBIOS ネームサーバーは、NetBIOS をネーミングサービスとして使用するネットワークの NetBIOS コンピュータ名とネットワークアドレス間のマッピングのリストを保持します。
[NetBIOS ノードタイプ]: Windows を実行する EC2 インスタンスでは、これは、インスタンスが NetBIOS 名を IP アドレスに解決するために使用するメソッドです。
デフォルトのオプションセットを使用する場合、Amazon DHCP サーバーはデフォルトのオプションセットのネットワーク設定を使用します。VPC 内でインスタンスを起動すると、インスタンスは、次の図に示すように (1) DHCP サーバーとインタラクションし、(2) Amazon DNS サーバーとインタラクションし、(3) VPC のルーターを介してネットワーク内の他のデバイスに接続します。インスタンスはいつでも Amazon DHCP サーバーとインタラクションして、IP アドレスリースと追加のネットワーク設定を取得できます。
![デフォルト DHCP オプションセット](images/dhcp-default-update-new.png)
カスタム DHCP オプションセット
次の設定でカスタム DHCP オプションセットを作成し、それを VPC に関連付けることができます。
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[ドメインネームサーバー]: ネットワークインターフェイスがドメイン名の解決に使用する DNS サーバー。
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[ドメイン名]: ドメインネームシステム (DNS) を使用してホスト名を解決する際にクライアントが使用するドメイン名。
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[NTP サーバー]: インスタンスに時間を提供する NTP サーバー。
[NetBIOS ネームサーバー]: Windows を実行する EC2 インスタンスでは、NetBIOS コンピュータ名は、ネットワーク上でインスタンスを識別するためにそのインスタンスに割り当てられるフレンドリ名です。NetBIOS ネームサーバーは、NetBIOS をネーミングサービスとして使用するネットワークの NetBIOS コンピュータ名とネットワークアドレス間のマッピングのリストを保持します。
[NetBIOS ノードタイプ]: Windows を実行する EC2 インスタンスでは、インスタンスが NetBIOS 名を IP アドレスに解決するために使用するメソッドです。
IPv6 優先リースタイム (オプション): IPv6 が割り当てられた実行中のインスタンスが DHCPv6 リースを更新する頻度の値 (秒、分、時、または年単位)。許容値は 140 秒から 4294967295 秒 (約 138 年) です。値を入力しない場合、デフォルトのリースタイムは 140 秒です。EC2 インスタンスに長期アドレス指定を使用すると、リースタイムを長くすることができ、頻繁にリースの更新をリクエストする必要がなくなります。リースの更新は通常、リースタイムの半分が経過した時点で行われます。
カスタムオプションセットを使用する場合、VPC で起動されたインスタンスは、次の図に示すように (1) カスタム DHCP オプションセットのネットワーク設定を使用し、(2) カスタム DHCP オプションセットで指定された DNS、NTP、および NetBIOS サーバーとインタラクションし、(3) VPC のルーターを介してネットワーク内の他のデバイスに接続します。
![カスタム DHCP オプションセット](images/dhcp-custom-update-new.png)