CloudWatch RUM を使用する - Amazon CloudWatch

CloudWatch RUM を使用する

CloudWatch RUM を使用すると、現実的なユーザーモニターリングを実行できます。ウェブアプリケーションのパフォーマンスに関するクライアント側のデータを、ほぼリアルタイムで実際のユーザーセッションから収集し、それを表示できます。ページの読み込み時間、クライアント側のエラー、およびユーザーの活動などのデータを、可視化および分析することが可能です。この表示機能では、すべてのデータを集約的に見ることができ、同時に、顧客が使用しているブラウザやデバイスに関する詳細も確認できます。

収集されたデータは、クライアント側で発生するパフォーマンスの問題をすばやく特定し、デバッグを行う際に利用できます。CloudWatch RUM により、アプリケーションのパフォーマンス上の異常を可視化できます。さらに、エラーメッセージ、スタックトレース、ユーザーセッションなど、関連性のあるデバッグデータを見つけ出すこともできます。また RUM を使用すると、ユーザー数、地域的な位置、使用されているブラウザなど、どの範囲でエンドユーザーが影響を受けているかを把握することも可能です。

CloudWatch RUM により収集されたエンドユーザーデータは、30 日間保持された後で自動的に削除されます。RUM イベントをより長く保持する場合は、アプリケーションモニターで、イベントのコピーをアカウントの CloudWatch Logs に送信させることもできます。その上で、送信先ロググループの保持期間を調整します。

RUM を使用するには、アプリケーションモニターを作成し、情報をいくつか設定します。RUM では、アプリケーションに貼り付けるための JavaScript スニペットが自動的に生成されます。このスニペットは RUM のウェブクライアントコードを読み込みます。この RUM ウェブクライアントは、事前構築済みダッシュボードに表示されるアプリケーションのユーザーセッションから、その割合のデータをキャプチャします。ユーザーセッションのどの割合からデータを収集するか、指定することができます。

CloudWatch RUM は、アプリケーションサービス、クライアント、Synthetics Canary、サービスの依存関係を検出してモニタリングできる Application Signals と統合されています。Application Signals を使用すると、サービスのリストやビジュアルマップを確認したり、サービスレベル目標 (SLO) に基づくヘルスメトリクスを表示したり、ドリルダウンして相関関係のある X-Ray トレースを確認したりして、より詳細なトラブルシューティングを行うことができます。Application Signals で RUM クライアントページのリクエストを確認するには、アプリモニタを作成するか、RUM ウェブクライアントを手動で構成して、X-Ray アクティブトレースを有効にします。RUM クライアントは、サービスに接続されている [サービスマップ]、および呼び出されるサービスの [サービス詳細] ページに表示されます。

RUM ウェブクライアントはオープンソースです。詳細については、「CloudWatch RUM web client」を参照してください。

パフォーマンスに関する考慮事項

このセクションでは、CloudWatch RUM 使用上のパフォーマンスに関する考慮事項について説明します。

  • ロードパフォーマンスへの影響 – CloudWatch RUM ウェブクライアントは、JavaScript モジュールとしてウェブアプリケーションにインストールされます。または、コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から非同期でウェブアプリケーションにロードされます。アプリケーション自体のロードプロセスが、阻害されることはありません。CloudWatch RUM は、アプリケーショがロードに要する時間に対して、検出可能な影響を与えることがないように設計されています。

  • 実行時の影響 – RUM ウェブクライアントは、RUM データを記録し、CloudWatch RUM サービスにディスパッチするための処理を実行します。これらのイベントは頻度が低く処理量も多くありません。CloudWatch RUM は、アプリケーションのパフォーマンスが、この処理により検出可能な影響を受けることがないように設計されています。

  • ネットワークへの影響 – RUM ウェブクライアントは、CloudWatch RUM サービスに定期的にデータを送信します。データは、アプリケーションの実行中、およびブラウザがアプリケーションをアンロードする直前に、一定の間隔で送出されます。ブラウザがアプリケーションをアンロードする直前に送信されるデータは、ビーコンとして送信されます。このビーコンが、アプリケーションのアンロード時間に検出可能な影響を与えることはありません。

RUM の使用料金

CloudWatch RUM では、このサービスが受け取るすべての RUM イベントに対して料金が発生します。RUM ウェブクライアントを使用して収集された、すべてのデータ項目は、RUM イベントと見なされます。RUM イベントの例としては、ページビュー、JavaScript エラー、および HTTP エラーなどが挙げられます。各アプリケーションモニターで収集されるイベントの種類を選択することが可能です。パフォーマンステレメトリイベント、JavaScript エラー、HTTP エラー、および X-Ray トレースの収集に関するオプションを、それぞれ有効または無効にできます。これらのオプション選択の詳細については、「ステップ 2: アプリケーションモニターを作成する」および「CloudWatch RUM ウェブクライアントによって収集される情報」を参照してください。料金の詳細については、「Amazon CloudWatch の料金」を参照してください。

利用可能なリージョン

CloudWatch RUM は現在、下記のリージョンで利用可能です。

  • 米国東部 (バージニア北部)

  • 米国東部 (オハイオ)

  • 米国西部 (北カリフォルニア)

  • 米国西部 (オレゴン)

  • アフリカ (ケープタウン)

  • アジアパシフィック (ジャカルタ)

  • アジアパシフィック(ムンバイ)

  • アジアパシフィック (大阪)

  • アジアパシフィック (ソウル)

  • アジアパシフィック (シンガポール)

  • アジアパシフィック (シドニー)

  • アジアパシフィック (東京)

  • カナダ (中部)

  • 欧州 (フランクフルト)

  • 欧州 (アイルランド)

  • 欧州 (ロンドン)

  • 欧州 (ミラノ)

  • ヨーロッパ (パリ)

  • ヨーロッパ (ストックホルム)

  • 中東 (バーレーン)

  • 南米(サンパウロ)