DNS トラフィックのルーティングにトラフィックフローを使用する

ホストゾーンでの関連レコードの管理は、次のような状況では困難な場合があります。

• 同じドメインのトラフィックを処理するウェブサーバーなど、同じオペレーションを実行する多くのリソースがある場合。

• エイリアスレコードと、レイテンシー、フェールオーバー、加重などの Route 53 ルーティングポリシーの組み合わせを使用して、レコードの複雑なツリーを作成する場合。

レコードは 1 つずつ作成できますが、Route 53 コンソールで設定を確認する場合、レコード間の関係を把握するのは困難です。トラフィックフローは、大規模で複雑な設定でレコードを作成および維持するプロセスを大幅に簡素化します。

Visual editor (ビジュアルエディタ)

トラフィックフロービジュアルエディタを使用すると、レコードの複雑なツリーを作成し、レコード間の関係を確認できます。例えば、レイテンシーエイリアスレコードが加重レコードを参照し、加重レコードが複数の AWS リージョン内のリソースを参照する設定を作成できます。各設定はトラフィックポリシーと呼ばれます。トラフィックポリシーはいくつでも無料で作成できます。

バージョニング

複数のバージョンのトラフィックポリシーを作成できるため、設定が変更されたときに最初からやり直す必要はありません。古いバージョンは、削除するまで存続します。トラフィックポリシーあたり 1000 バージョンというデフォルト制限があります。オプションで、各バージョンに説明を追加することができます。

レコードの自動作成と更新

トラフィックポリシーは、数十または数百のレコードを表すことができます。トラフィックフローにより、トラフィックポリシーレコードを作成して、これらのレコードをすべて自動的に作成できます。ツリーのルート (example.com や www.example.com など) にホストゾーンとレコード名を指定すると、ツリーに他のすべてのレコードが自動的に作成されます。ルートレコード (トラフィックポリシーレコード) は、ホストゾーンのレコードのリストに表示されます。他のすべてのレコードは非表示になります。

トラフィックポリシーの新しいバージョンを作成する場合、以前のトラフィックポリシーバージョンを使用して作成したトラフィックポリシーレコードを選択的に更新できます。トラフィックポリシーレコードを更新すると、Route 53 はツリー内の他のすべてのレコードを自動的に更新します。トラフィックポリシーレコードを再度更新して、以前のバージョンのトラフィックポリシーを使用することにより、変更をすばやくロールバックすることもできます。

注記

トラフィックフローを使用して、パブリックホストゾーンでのみレコードを作成できます。

異なるホストゾーンの複数のレコードの再利用

トラフィックポリシーを使用して、複数のパブリックホストゾーンにレコードを自動的に作成できます。例えば、複数のドメイン名に同じウェブサーバーを使用している場合、同じトラフィックポリシーを使用して、example.com、example.org、example.net などのホストゾーンにトラフィックポリシーレコードを作成できます。

Route 53 が DNS クエリに応答する方法

クライアントが example.com や www.example.com などのルートレコードの名前のクエリを送信すると、Route 53 は、対応するトラフィックポリシーレコードの作成に使用したトラフィックポリシーの設定に基づいてクエリに応答します。

地理的近接性ルーティングポリシー

t 地理的近接性ルーティングを使用すると、リソースの場所に基づいてトラフィックをルーティングし、オプションで、ある場所のリソースから別の場所のリソースにトラフィックをシフトできます。詳細については、「地理的近接性ルーティング」を参照してください。

トラフィックフローの料金

トラフィックポリシーレコードごとに月額料金が発生します。詳細については、Amazon Route 53 の料金表の「トラフィックフロー」セクションを参照してください。

これらの料金を最小限に抑えるために、そのホストゾーン内のトラフィックポリシーレコードを参照するエイリアスレコードを 1 つ以上ホストゾーンに作成することができます。例えば、example.com のトラフィックポリシーレコードを作成し、そのトラフィックポリシーレコードを参照する www.example.com のエイリアスレコードを作成できます。

トピック

• トラフィックポリシーの作成と管理
• ポリシーレコードの作成および管理