REL11-BP02 正常なリソースにフェイルオーバーする - AWS Well-Architected Framework

REL11-BP02 正常なリソースにフェイルオーバーする

リソース障害の発生時に、正常なリソースが引き続きリクエストに対応できるようにします。ロケーション障害 (アベイラビリティゾーンや AWS リージョン など) に対しては、障害のないロケーションの正常なリソースにフェイルオーバーするシステムを用意します。

Elastic Load Balancing や AWS Auto Scaling などの AWS のサービスは、複数のリソースおよびアベイラビリティゾーンへの負荷分散に役立ちます。そのため、個々のリソース (EC2 インスタンスなど) の障害や、アベイラビリティゾーンの障害を、残りの正常なリソースにトラフィックをシフトすることによって緩和できます。マルチリージョンのワークロードの場合、状況はさらに複雑です。例えば、クロスリージョンリードレプリカを使用すると、データを複数の AWS リージョン にデプロイできますが、障害が発生した場合は、リードレプリカをプライマリに昇格させ、そこにトラフィックを向かわせる必要があります。Amazon Route 53 と AWS Global Accelerator は、AWS リージョン 間のトラフィックのルーティングを容易にします。

ワークロードが Amazon S3 や Amazon DynamoDB などの AWS のサービスを使用している場合、自動的に複数のアベイラビリティゾーンにデプロイされます。障害が発生した場合、AWS コントロールプレーンはトラフィックを正常なロケーションに自動的にルーティングします。データは複数のアベイラビリティゾーンに冗長的に保存され、使用可能なままとなります。Amazon RDS の場合、設定オプションとしてマルチ AZ を選択する必要があります。その場合、障害が発生すると、AWS はトラフィックを正常なインスタンスに自動的にルーティングします。Amazon EC2 インスタンス、Amazon ECS タスク、または Amazon EKS ポッドの場合、デプロイ先のアベイラビリティゾーンを選択します。Elastic Load Balancing は、異常なゾーンのインスタンスを検出し、正常なゾーンにトラフィックをルーティングするソリューションを提供します。Elastic Load Balancing は、オンプレミスのデータセンターのコンポーネントにトラフィックをルーティングすることもできます。

マルチリージョンのアプローチ (オンプレミスのデータセンターも含まれる場合があります) の場合、Amazon Route 53 はインターネットドメインを定義し、ヘルスチェックを含むルーティングポリシーを割り当てて、トラフィックが正常なリージョンにルーティングされるようにします。または、AWS Global Accelerator は、アプリケーションへの固定エントリポイントとして機能する静的 IP アドレスを提供します。そして、インターネットの代わりに AWS グローバルネットワークを使用して、選択した AWS リージョン のエンドポイントにルーティングして、パフォーマンスと信頼性を向上させます。

AWS は、障害復旧を念頭に置いてサービスの設計に取り組んでいます。当社は、障害からの復旧時間とデータへの影響を最小限に抑えるサービスを設計しています。当社のサービスは主にデータストアを使用しており、リクエストが認識されるのは、リージョン内の複数のレプリカにわたりデータが永続的に保存された後です。これらのサービスとリソースには Amazon Aurora、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) マルチ AZ DB インスタンス、Amazon S3、Amazon DynamoDB、Amazon Simple Queue Service、Amazon SQS、および Amazon Elastic File System (Amazon EFS) が含まれます。これらのサービスは、セル単位の分離とアベイラビリティーゾーンにより提供される障害切り分けを活用するように構成されています。当社は、運用上の手順の多くで自動化を幅広く使用しています。また、中断から迅速に復旧するために、置換と再起動の機能を最適化しています。

このベストプラクティスを活用しない場合のリスクレベル:

実装のガイダンス

  • 正常なリソースにフェイルオーバーします。リソース障害の発生時に、正常なリソースが引き続きリクエストに対応できるようにします。ロケーション障害 (アベイラビリティゾーンや AWS リージョン など) に対しては、障害のないロケーションの正常なリソースにフェイルオーバーするシステムを用意します。

    • ワークロードが Amazon S3 や Amazon DynamoDB などの AWS のサービスを使用している場合、自動的に複数のアベイラビリティゾーンにデプロイされます。障害が発生した場合、AWS コントロールプレーンはトラフィックを正常なロケーションに自動的にルーティングします。

    • Amazon RDS の場合、設定オプションとしてマルチ AZ を選択する必要があります。その場合、障害が発生すると、AWS はトラフィックを正常なインスタンスに自動的にルーティングします。

    • Amazon EC2 インスタンスまたは Amazon ECS タスクの場合、デプロイ先のアベイラビリティーゾーンを選択します。Elastic Load Balancing は、異常なゾーンのインスタンスを検出 し、正常なゾーンにトラフィックをルーティングするソリューションを提供します。Elastic Load Balancing は、オンプレミスのデータセンターのコンポーネントにトラフィックをルーティングすることもできます。

    • マルチリージョンのアプローチ (オンプレミスのデータセンターが含まれる場合もあります) の場合は、正常なロケーションのデータとリソースが、引き続きリクエストに対応できることを確認します。

      • 例えば、クロスリージョンリードレプリカを使用すると、データを複数の AWS リージョン にデプロイできますが、プライマリロケーションに障害が発生した場合は、リードレプリカをマスターに昇格させ、そこにトラフィックを向かわせる必要があります。

      • Amazon Route 53 は、インターネットドメインを定義し、ヘルスチェックを含むルーティングポリシーを割り当てて、トラフィックが正常なリージョンに確実にルーティングされるようにする方法を提供します。または、AWS Global Accelerator は、アプリケーションへの固定エントリポイントとして機能する静的 IP アドレスを提供します。そして、インターネットの代わりに AWS グローバルネットワークを使用して、選択した AWS リージョン のエンドポイントにルーティングして、パフォーマンスと信頼性を向上させます。

リソース

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