コスト最適化でビジネス価値を数値化することで、組織に対するメリットの全体像を把握できます。コスト最適化は必要な投資であるため、ビジネス価値を数値化することで、各ステークホルダーに投資利益率を説明できます。ビジネス価値の数値化は、将来のコスト最適化投資に関してステークホルダーからより多くの賛同を得ることができます。また、組織のコスト最適化活動の結果を測定するためのフレームワークを提供します。
このベストプラクティスが確立されていない場合のリスクレベル: 中
実装のガイダンス
ビジネス価値の数値化とはつまり、企業の行動や決断がもたらす利益を測定することです。ビジネス価値は、有形 (経費の削減や利益の向上など) の場合もあれば、無形 (ブランドの評判や顧客満足度の向上など) の場合もあります。
コスト最適化によるビジネス価値の数値化とはすなわち、支出を効率化する取り組みがもたらす価値や利益を割り出すことです。例えば、ある企業が AWS へのワークロードのデプロイに 100,000 USD を費やし、後日最適化した結果、品質や成果を損なうことなく、わずか 80,000 USD にコストダウンしたとします。この場合、コスト最適化がもたらすビジネス価値を数値化すると、20,000 USD の節約になります。しかし、単純な節約額だけでなく、納期の短縮や顧客満足度の向上、コスト最適化の取り組みの成果が現れたその他の指標を踏まえて、価値を数値化することもできます。ステークホルダーは、コスト最適化の潜在的価値、ワークロードの最適化にかかるコスト、投資収益率について決定する必要があります。
コスト最適化により削減された金額を報告することに加えて、実現された付加価値を数値化することをお勧めします。コスト最適化のメリットは通常、ビジネス成果に対して削減されたコストという観点で数値化されます。例えば、Savings Plans を購入した場合は Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) のコスト削減を数値化できます。Savings Plans により、コストを削減し、ワークロードの出力レベルを維持できます。アイドル状態の Amazon EC2 インスタンスが削除された場合や、アタッチされていない Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリュームが削除された場合は、AWS の利用料削減を数値化できます。
コスト最適化のメリットは、コスト削減やコスト回避にとどまりません。効率性向上とビジネス価値を測定するために、その他のデータを追加で取得することを検討してください。
実装手順
-
ビジネス上の利点を評価する: これは、AWS クラウド のコストを分析し、支出した分、最大限の利益を生み出せるように調整していくプロセスです。ビジネス価値を顧みずコスト削減にばかり着目するのではなく、コスト最適化がもたらすビジネス上の利点と投資収益率を検討してください。支出した金額からもっと価値を引き出せるようになります。賢く支出し、最大の収益率を見込める分野に投資および出費することが大切です。
-
AWS の予測コストを分析する: 予測により、財務関係者は、組織内外の他の利害関係者と見通しを立て、組織の財務予測の可能性を向上させることができます。AWS Cost Explorer
を使用して、コストと使用量を予測できます。
リソース
関連するドキュメント:
関連動画:
関連する例: